彼の地へ

先日、大女優高峰秀子さんを偲ぶ会がありました。
20年以上も前のことですが、もったいなくも吾が母に、
高峰秀子さんとご縁ができまして、母を通じて私にもご縁を頂きました。
そして二人、この度の偲ぶ会にお招き頂いたのでした。

偲ぶ会の会場は砧の東宝撮影所の中でした。
東宝、というよりも私にはP.C.L.の方が馴染みがあって、
あの噴水を囲むリベラルな雰囲気、グラスステージ華やかな新しい撮影所、
というイメージが強いのです。
松竹の、あの、大部屋、幹部、大幹部という序列厳しい世界ではなく、
新しい撮影所のワクワクした素敵な雰囲気は、様々な方が書いています。
高峰秀子さんの御著書「わたしの渡世日記」にも鮮やかに書かれていました。
勝手な私の想像は飛躍して、今でも東宝撮影所の噴水の周囲には、
原節子さん、堤真佐子さん、椿澄子さん、エノケンさん、岸井明さん、
そして成瀬監督や山中監督、そして高峰秀子さんたちが行き来している!
いつの間にか胸は高鳴っておりました。

「あの噴水はどこでしょうか?」撮影所の方に尋ねました。
すると噴水どころか、昔の建物は立て替えられて跡形もないそうです。
それを教えてくださったその方が、
とても嬉しそうだったのが強く印象に残りました。
やはりいつの時代も新しい施設は、現場にとっては嬉しく誇らしいのですね。

偲ぶ会では、冒頭に高峰秀子さん出演映画のダイジェストが上映されました。
初出演の1929年「母」が映し出された時には、思わず、あっ!と声が出ました。
初めて見る貴重な映像でした。最近発見されたのだそうです。
頂いた資料には169本の作品に出演されたと記されていました。
すさまじい私生活を背負いながら、これだけの仕事をされたのだということを
あらためて感じました。あらためて、ものすごい方だったのだと思いました。
ほんのわずかな時間ではありましたが、たくさんのことを教えて頂きました。
その幸福に感謝して、決して忘れてはいけないと自分に言い聞かせました。


東宝撮影所、今では東宝スタジオと言うのだそうですね。

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by orochon3 | 2012-03-29 08:17 | | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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