『マイナス・ゼロ』広瀬正

ちょっとしたハプニングでへこんでいた午後、
ニトリに行ったらなんとなくソファが目にとまり、
あまりに安いのでビックリし、5年保証にまたビックリし、
衝動的に買ってしまいました、三人がけのソファです。
ニトリさんのページはコチラ→ソファ
ソファが吾が家に到着して2週間が経ちました。
ワタシの目下の楽しみは、このソファにひっくり返っての読書です。
団長さまのブログで初めてその名を知った広瀬正。
まったく存じ上げませんでした。なにしろSF小説って大の苦手。
でも、憧れるあの頃の世界にいつも思いを馳せている私にとって、
いつも脳内で時間旅行をしているようなものです、
タイムマシンというのは、案外身近なものなのかもしれません。

さて本題へ。
物語はめちゃくちゃに面白く、終戦直前に物語は始まり、
昭和30年代から昭和7年へ、そして今度は終戦後へ、、、
めまぐるしく主人公は動くのですが、それがちっとも忙しく感じない。
意外な感じもせず自然な流れで、いろんなことが起こって、
そして自然淘汰というか落ち着いておさまるのでした。
一番最初、主人公が昭和7年に置き去りにされた時だけ、私も一緒にパニック。
けれども、お金があるというのは何にも勝るのですねえ。
この主人公も、そして彼を取り巻くカシラ一家も、
お金の有り難さをよくわかっていて、気持ちが良いです。
お金の事もそうですが、この広瀬さんという方の文章は、
とっても読みやすく、やさしく、リズムがあって楽しい!
お金の事とか男女の事とかも、優しさとユーモアでふんわり包んでしまうから、
ちっとも嫌な感じがしないのです。
マイナスとかプラスというのは年代のことで、
数字に弱い私は時々頭がフリーズする事もありましたが、
それでも読み進めたいという欲求の方が強いので問題ありませんでした。

主人公は男性で、ちょっとしたロマンスもあり、どんでん返しもあり、
素晴らしく面白いエンターテイメントでありました。
特にカシラ一家がとっても良い味をだしています。
こういう家族と最初に知り合えて主人公は幸運でしたねー!

最後の方で主人公のロマンスのお相手の過去が語られますが、
こちらも凄く興味深いではないですか、女工さんから女優さんに華麗なる転身。
昭和初期の頃の銀幕の裏側とか、そちらの物語もぜひとも読みたいものです、
と言ってももう広瀬サンは亡くなっているので叶わぬ願いなのでした。
ともかく、久しぶりに手に汗握り夢中になって読みふけりました。
団長さま、ありがとうございます!

蛇足ですが、主人公のもう一人のロマンスのお相手が、
白木屋で働くと言いだす場面がありました。
白木屋と目にした瞬間、はっとして「ダメ!」とつぶやいてしまいました。
主人公に教えてあげたかった、、、。

発表されてから既に43年経っているこの作品は、
現在よりもずっと昭和20年に近いです。
当たり前ですが、昭和の初めを生きていた人達がまだ沢山いらした。
私の小さな頃もそうでした。
昭和の初めの雰囲気はまだそこかしこに残っていました。
平成になってもう25年も経ったのか!と改めて思ったのでした。

この作品を年表にしている奇特な方がいらっしゃいました。
読んでから見ると一目瞭然、面白い。そのページはコチラです→年表
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Commented by sakitaka at 2013-06-30 14:16 x
 こんにちは。
 マイナスゼロ、面白いですよね。ずいぶん前ですが、最初読んだ時は感動しました。小松さんとかしか知らなかったので、日本にもこんな話が書ける人がいるんだと。
 年表、労作ですね。参考に読み直します。
Commented by orochon3 at 2013-06-30 17:00
良い本を教えて頂き、感謝、感謝でございます。
エロス、ようやく届いたところなのですが、読んでしまうのがもったいなくて、、、。
それにしても頭の良い人でなければあんなややこしい物語は書けないですよねえ。私は何度も読み返しました。
Commented by はじめまして at 2013-07-18 15:50 x
戦前映画好きな私
というより戦前の乙女好きなのですが
(54歳主婦です)
広瀬正好きでもありますので今回の記事に驚きでしゃばりました
赤坂の横断歩道を渡る時にはいつも ここで心臓発作をと
思い出し連れがいれば迷惑にもその知識を披露してしまうほどです

嬉しい記事をありがとうございました
Commented by orochon3 at 2013-07-18 18:02
はじめましてサマ、はじめまして、でございます。
拙ブログをご覧頂き恐縮至極に存じまする!
広瀬さん、ホントに頭が良いのですねえ、、、
“計算”とか“つじつま”とかが合ったことのないワタシには
到底想像のできない、上等な脳をお持ちなのでしょう。

戦前の乙女、よろしいですね〜!
私も大好き!そしてお嬢さんや奥様も素敵、素敵。
あの頃の所作、言葉、全てに憧れるのであります。
またご教授くださいませ!

こちらこそありがとうございました。
by orochon3 | 2013-06-23 08:09 | | Comments(4)