カテゴリ
最新のコメント
ライフログ
以前の記事
タグ
たべもの(581)
おでかけ(421) 日本酒(127) 源氏物語(33) ワイン(17) 酒器(16) 桜(14) 健康診断(10) 伏見稲荷(8) ワンタン麺(8) 昭和10年(8) ねこ(7) 水泳(6) 蓮(6) 昭和13年(5) 昭和11年(5) 昭和15年(5) 昭和14年(4) ビール(4) 昭和17年(4) 田中絹代(4) 昭和16年(3) アロエ(3) 着物(3) ブラタモリ(3) 水まわり(3) 昭和18年(3) 原節子(2) 昭和8年(2) 昭和9年(2) 焼酎(2) 入江たか子(2) 買い物(2) 有馬(1) 洋館(1) 岡田時彦(1) 牛丼(1) 清川玉枝(1) 昭和12年(1) お風呂(1) 検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
表紙の写真は洋装の川崎弘子嬢と逢初夢子嬢!
これは手に取らないわけにはいきません。 (というか、これも「薔薇とビスケット」の時に夫が見つけてくれたものです) 紹介される作品は私も観たものばかりで期待はふくらみました。 ところが読んでみて、不思議なことにどんどん嫌な気持ちになっていきます。 筆者の作品に対する切り口がどうも頂けない。 愉しく朗らかな名作「ほろよひ人生」を“拝金主義メルヘン”と言われると、 どうにもこうにもワタシには受け付け難い。 そしてお洒落な「東京ラプソディー」に関しては、バサバサと切り込んできます。 『人身取引による公娼制度を維持する社会で形成された公的言説に寄りかかって、 近代日本がその脆弱な資本主義の肩代わりを若い女性たちに強いてきた歴史と メカニズムを隠蔽する』 というような作品であると言うのですが、いったい、、、、 この作品をこういう見方をする必要があるのでしょうか。 これは、今の時代を生きる者の立場から言えることであって、 あの時代の大衆にとっては当たり前のことであったのではないかと思うのです。 そして名作「祇園の姉妹」と「浪華悲曲」で描かれる”女性の反逆性”が 戦前の検閲には問題視されなかった、女性は二流市民だからである、とバサリ。 「泣蟲小僧」に至っては、成り行き任せに生きる庶民の日和見主義がハイライト。 取り上げられている作品はどれも当時の様々な面を切り取って描かれているのです。 今の世の常識で、あれこれというのは如何なものかとつくづく思いました。 まず、女性は二流市民であることが普通である世の中だったのです。 戦争が通常の生活の中で起こっていることだったのです。 「浪華悲曲」をはじめ、当時の映画を観る度に、 教育や知識や社会に対する理解度というのは、現在のそれと比べると、 恐ろしく低かったのだろうなあといつも思います。 今の私達の感覚で観てはいけないという事をつくづく感じるのです。 そういうことが頭の中に絶えず浮かんでくる本でした。 ジェンダーという言葉が多用されるのですが、これいったいどういう意味? 調べてみると、ジェンダーとは社会的文化的に作られた性別や性差のことで、 それに関する文化や知識一般を指すことも含まれるのだとか。 この本の筆者は、ジェンダーをどういう意図で使ったのか、 読解力に欠ける私にはほとんど理解不能でした。 それにしても。 この本の内容は別としてあの頃の映画を観て、 ただ、ただ、喜んでいるワタシとは大違いで、この宜野座さんはスゴイ。 多種多様な言葉と表現する力、それを整理する力と、構築する技。 同じものを観てもこうも違うのかと、 そういうものがない我が身を憂うばかりなのでした。
by orochon3
| 2013-09-30 09:38
| 本
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||