萬の一字
お嫁に行くことが決まったとき、父からお金を預かりました。
花嫁準備に使うべし、ということでした。
かなり大きな金額だったので、私は銀行口座をつくり、
小さな金銭出納帳を買ってそのお金を管理する事にしました。

好き嫌いが激しく、自分が気に入ったものしか受け付けない、
そのワガママな性格をイヤという程知っている親なので、
自分で好きに花嫁支度をすればよい、と思ったのでしょう。
言うまでもなく、夫になる人も私の好きにさせてくれる
希有で素晴らしい人物でしたので、
おかげで私はいっとう幸せな花嫁支度をすることができました。

なかでも、食器類はもともと好きだったので特別でした。
同じく食器好きの母とあれやこれやと探しまわりました。
どれもこれも、自分で厳選した食器です。
銀座の松屋百貨店は趣味の良い品揃えをしていて、
私の好みのものも多かったので、細々したものはここで揃いました。
京都のアソベでは漆器を揃えました。
新門前では古伊万里の中皿を二枚だけ買いました、
大フンパツした思い出のお皿です。
そして母と共に佐賀県へ行ったのは最高潮でした。
有田と伊万里をあちこちまわって、好みを探しあてました。
有田では染め付けの青花という窯元が気に入り色々買い揃えました。
伊万里では潔い白磁の中皿と小皿を揃えました。
中皿は直径15cm、小皿は直径10cmの理想的な大きさで
食事のたびに使うくらい便利で重宝しています。
その小皿の一枚にヒビが入ってしまい、ずっと気になっていました。
真っ白なだけに色が染みて目立つのが困りものですが、
割れてしまうわけではなく、使うには支障がないので案外丈夫なのですね。
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なんというお店で買ったのか名前を忘れてしまって、
それから伊万里に行くこともなく、もやもやしていました。
それが、先日偶然手にした婦人雑誌にあった伊万里焼きの窯元の
「畑萬陶苑」という名前にピピピ!ときました。
というのも、お皿の裏には萬と一文字だけ書かれていて、
この萬がヒントだなあとずっと思っていたのです。
たぶん、いえきっと、この窯元さんのお皿でしょう。
これでなんとなく安心しました。
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いつの日かまた伊万里へ行くことができれば良いなあと思います。
 さらにひび こころにもひび いやなひび まだ割れぬよういのりてつかう

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by orochon3 | 2017-02-25 13:04 | その他(ほぼお酒) | Comments(0)

主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。
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