母の戀文(私のツボ)

この映画は昭和10年に作られたコメディです。
主役の坪内美子さんは下の写真の向かって左。
全篇を着物で通すモダンな和美人で真ん中の男性良一と結婚します。
向かって右の洋装女性は高杉早苗さん、彼女は良一の妹です。
物語は、美子さんが良一と結婚してすったもんだがあって、
その最大の危機となった恋文が実はお母さんの書いたものであった、
という結末で大団円を迎えるのですが、
物語には関係なく私のツボを並べてみます。
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美子サンが初めて良一の家に来て弟(突貫小僧)にお菓子を渡す場面。
この高台にのったお菓子はどうも固そう。指でつついても弾力がありません。
トングでケーキをはさんでいるところを見ても、
固そうで噛んだらサクっといいそう。
この頃の映画にはたまにでてくる固いケーキ、気になります、、、。
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早苗さんは洋装派で寝るのもベッドでパジャマです。
もちろん既製服ではないパジャマ、たっぷりっとした生地で気持ち良さそう。
枕のカバーや布団がなんとなく和風をひきずっています。
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全身のパジャマ姿もサービス。
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美子サンの女学校時代のお友達と偶然道でバッタリ出会いました。
えっちゃんとかいうこのお友達はお洒落な洋装。
美子さんと同級生という設定なのに年上っぽくてしっかり者という感じ。
この女優さんのせい?と思って調べてみました、
松井潤子さんという方なのですが、
ナント後に水原茂氏の奥様になられます!
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アップもサービス、モダンな洋装なのにどこか庶民的な感じです。
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この映画はテムポが早くて場面が切り替わる時に芝居のように暗転します。
そしてこんな場面が突如映し出されるのです。
なんてことのない場面ですが、モダンなコーヒィカップ、欲しい!
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吾が愛しの徳大寺伸の登場です!かっこいー!
早苗さんの恋人で医学博士?らしく「血液型の研究論文」を書いていて
それが仕上がったら結婚するんですって、いいなあ。
こうした喫茶店での場面はいつ見てもスバラシイ。今となんの遜色ありません。
こういう意匠の喫茶店どこかにないですか?
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この映画で一番の場面。
お勝手というよりはお台所ですね、キッチンと言っても良いかもしれません。
可愛らしい卓上のガス台に脚付きのまな板、広い作業台が羨ましいですね、
そして明るいのが一番素晴らしい。清潔そうで使いやすそう。いいなあ。
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サービスショットはこの台所の横手に見える冷蔵庫?らしきものと、
その上のお醤油の容器と思われるもの。陶器製らしい?
たぶんお醤油だと思うのですが大きいですよね!
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この場面はどうでもよい宴会シーンなのですが、徳利にご注目です。
この徳利が空になったといって良一は「お酒ちょうだい!」と叫びました。
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そしてこの場面。お母さん(吉川満子!)は樽のお酒をまず片口に入れて
そこからお銚子にそそいでいます。
その横で早苗サンがもう一本のお銚子を手にしています。
こういう何気ない暮らしの一場面が大好き。
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良一の家の近所です、広い道はまだ舗装されていず雨が降ったら難儀でしょう。
家々には電気がひかれているのもわかります。
どんな暮らしをしていたのか、お邪魔してみたいな。
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最後は問題の恋文です!
「30年前に私が書いたのです」とお母さんが言いました。
1905年ということになりますが、明治38年日露戦争の頃です、
ノンキだなぁお母さん。
これをもらった今は亡きお父さんは大層喜んだそうで、
良一くんができてしまい結婚することになったのだとか。
こういうお手紙を書くひとが!と少し驚いたのでした。
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それでは本当の意味でのサービスショットです。
最後の場面、喫茶店のボーイさん(阿部正三郎)。
最初のクレジットの中で最後の最後に出てきたお名前。
だれ?と思っていたら、この方、、、
見たことある、ある!与太者のひとでした。色々調べてみて見ると、
阿部正三郎も女中役で出ていた出雲八重子さんも徳大寺伸さんも
同じこの頃に松竹の準幹部に昇格したそうです。
わぁ!なんだかワクワクしてきます。
(同じ年にかの田中絹代嬢は大幹部に昇格されました、さすが!)
この頃の映画界はその年間製作数を見てもどれだけ栄華を極めていたか
がよくわかります。
映画を一本観ただけでもその雰囲気を味わえるような気がします。
 きら星のごとくゐならぶ映画スタア ひときわ輝けり大幹部
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昭和10年・製作=松竹キネマ/監督・野村浩将
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by orochon3 | 2017-04-04 16:20 | 戦前松竹 | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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