「あさきゆめみし」大和和紀(その2)

この作品を読んで源氏物語のとっかかりにしようと思いましたが、
これがどのくらい原典にそっているのか、また違いはどこか、
という点においては原典を読んでいないからわかりません。
なので、源氏物語の扉の前まで来てちょっとウロウロして、
ちらりと中をのぞいてみたという程度と考えることにします。

昔の少女漫画なのでとにかく美しい世界が次から次へと
展開します、大和和紀ファンだった私にとっては懐かしい!
特に紫の上は愛らしくて賢くて彼女の画風にぴったり。
最後の最後まで紫の上は紫の上らしくて清々しく、
彼女が亡くなった時は思わず感極まって泣いてしまいました。
(いい歳をして少女漫画で泣けるなんて幸せな証拠!)
光の君も少年時代から青年になり大人になっていく様が
ただ美しいだけでなくしっかりと描かれています。
ただのお人形さんではなく人間らしく描かれているので、
時にげんなりしたり、時に応援したくなったりするのです。
なんの不満もないのですが、ただひとつだけ、、、
女三の宮がどうにも美しくなくて(ヴィジュアル的に)、
かといって彼女の性格があらわれているわけでもなく、
柏木があれほどまでに想いつめる相手なのかなぁ?と、
私としてはかなり不服なのでした。

一番の見所はやはり生き霊にまでなった六条の御息所でしょうか。
そして彼女の抱いた怨念、と一言ではまとめきれない「情」。
いつまでもどこまでも源氏とその周りにまとわりついて
様々な影響を与える恐ろしい「情」、それはきっと誰にでもあって、
また誰にでもつけいれられる隙があるのでしょう。こわい、こわい。

最後まで読んでみて、ああそうだったのかと気づいたのは、
ただ男女の恋模様が繰り広げられる浮かれた物語ではないということです。
「もののあはれ」という私にとって実に難解な世界が丁寧に丁寧に
描かれているのだなぁと、そのほんの一端少しだけ感じることができました。
 ないものはもののあはれをしるこころ 情趣もなくてをかしはさらなり

作者は紫式部であるとされていますが、具体的にどんな人がいくつの頃に
書き上げたのでしょうか。
このような壮大で華麗な(そしてややこしい)物語の構想をして、
見事に構築させたのが遥か平安時代であることに目眩がします。
漫画化されたものを読んだだけなのですが。
次に読む小説が今から楽しみです。

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by orochon3 | 2017-04-16 15:53 | | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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