<   2005年 08月 ( 7 )   > この月の画像一覧

我が家は楽し

「母の地図」の後味の悪さを払拭しようと、
あせって観始めたものの、戦後作品だったのでちょっぴりブルー。
なんでこの映画を録っていたのかというと、愛しの山田五十鈴嬢、
高峰秀子嬢、岸恵子嬢に、あわせて佐田啓二氏の出演という豪華役者陣。
観ないわけにはいきませんでしょう。あまり好きではない笠置衆氏も許す。
当初はブルーだったけれど、どんどん観入ってしまいました。
結論、おもしろかったのでした。

「母の地図」のように暗く貧しくはありません。明るく貧しいのです。
そして底抜けに善人!笠&五十鈴夫妻の、思わず正座してしまうほどの
正しい夫婦愛。子供達への正しい愛情。それにこたえる正しい子供達。
ご近所のコワイ意地悪じいさんまでも最後には良いじいさんに変身します。
ああ、良いですねぇ、こういう正しくまっすぐな善人て。
なんだかほっとします。
でも、これはあくまでもつくり事(映画)の中のお話であって、
当時でも、「飛び出したお嬢さん」に出てくるようなこすっからい人は
たくさんいたのでしょうし、むしろそういう人の方が多かったのでは。
それでも、こういう家庭があって、みんなで「ホームスイートホーム」を
合唱するようなほのぼのとした平和が、戦後6年経って実在したのでは?
と思わせるような気持の良い作品でした。

勤続25年で金一封と共に表彰された笠お父さんが、
五十鈴お母さんに「おめでとうございます」と祝われて、
「おかげさまで」と素直に感謝をする場面、とってもとっても感動しました。
こういうご夫婦、素晴らしいですね。
全編通して言葉使いが大変よろしいご家族です。
特に五十鈴お母さん。
家計簿を覗こうとした笠お父さんに、「あら、ご覧になっちゃぁ・・・」
と言って笑いながら、赤字だらけの家計簿をそっと隠します。
家計の苦労を見せないで内職をしながらやりくりする姿。
絶対に見習いたくなんてないけれど(というより不可能)、
貧しくても楽しい、ってこういう事なのだろうか。とふと思いました。
そこが「母の地図」と違うところ。
子供を思う母の心、というのは五十鈴お母さんも春子お母さんも同じだけど、
お母さんの“必死”さが、五十鈴さんの方が軽やかでおおらかなのです。
物語的には展開があまりにも読めすぎてしらける場面もありましたが、
良い映画を観たなぁと思わせてもらって救われました。

楽しみにしていた美男子、佐田啓二氏は、なんだかなぁ。
タカラヅカの男役サンみたいな感じで、うぅん、ノゥサンキュゥウ。

サービス画像は、三越百貨店の呉服売り場でのご夫妻。
b0019591_11572752.jpg


昭和26年・製作・松竹(大船)/監督・中村登
[PR]
by orochon3 | 2005-08-22 23:53 | 戦後映画 | Comments(2)

母の地図

何ともやるせない、辛い、辛い映画でした。
観るんじゃあなかった。と深く後悔しました。

たぶん、製作された時にはハッピーエンドだった、
のだと思います、きっと。
母(杉村春子)が地図上でいつも見ている場所は満州。
みんなが夢や野望やいろんな想いを抱いて渡っていった場所。
延々と一家が没落してゆく様を見せられた挙げ句、次女は病死、
最後には、手に手をとってこの母と娘は満州へ旅立ちました。
長男一家が暮らす満州、娘の好きな男性がいる満州に、
「これが本当のスタートね」とうきうきしながら旅立ちました。
そのわずか数年後のこの二人やその家族達、日本に残った家族達の事を思うと
胸がせつなくやるせなく、なんとも辛い辛い思いしか残らないのです。
この人達は実在せず、この後どんな境遇にあうのだろうかと心を痛めても
仕方がないのに、それでも、きっとこういう人達は現実にいたのだろうと、
やはり、胸が苦しく辛い思いをするのでした。

配役はなかなかおもしろかったです。
千葉早智子、花井蘭子、原節子の三姉妹!麗しすぎますねぇ。
原節子の恋人役に若い若い森雅之。メガネの優しい男性役でちょっと意外。

内容は上記のようなものでしたが、至る所に東京(銀座、丸の内など)の
街並みが映し出されてそれは嬉しいものでした。
こちらは銀座。
b0019591_8572126.jpg


原節子サンと森雅之サンが会社の帰りにデートしてる喫茶店。
ウェイトレスさんの服装がよいです。
b0019591_8583525.jpg


おもしろいエレベータ!派手すぎませんか???
セットではなさそうなんですけれど、どこかにこういうのがあったんでしょうか?
b0019591_94914.jpgb0019591_859188.jpg








そして、ワタクシが常々気になっているもの、洋装女性のシルエットです。
現在と完全に違いますよね、こういうところが本物は違うのですよゥ。
よく、戦前が舞台の現代に作られたドラマや映画を観ますが、
女優さんがカッコイイシルエットなのに対して、戦前映画では、
いかに原節子サンといえども、こういうモッサリしたシルエットをされているのです。
こちらがホンモノ。ホンモノは良いです。ニセモノはきらい。
それは、体型が変わったせいもあるでしょうけれど、下着の違い!です(断言)。
ちなみにお隣の和服美人は花井蘭子サン。お二人とも麗しいですね。
b0019591_96668.jpg



昭和17年・製作・東宝/監督・島津保次郎
[PR]
by orochon3 | 2005-08-20 23:47 | 戦前東宝 | Comments(0)

カンツォーネ♪あれこれ

まことにカンツォーネはいいですね。
だいたい一年のうちで梅雨の頃しか聴かないのですが、
唯一、冬に聴いた思い出があります。
二年前の冬、とある会合で東京・青山へ参りました。
伊太利亜料理店では老舗のSの個室に入り込み、
超美味の生ハムをはじめ本格的伊料理で高級ワインをご馳走になる!という
わざわざ交通費&ホテル代を払ってでも参加せずにはおけない、
素晴らしい会合でした。もちろん、参加しましたとも。

ところで、ワタクシの一番好きな外食のお料理は、仏蘭西料理です。
その次が中華料理です。そして料理というかビアホールです。
(注;粉モン・・・お好み、たこ焼、うどんは別格)
伊料理というのはちょっと苦手・・・どちらかというと身体にあわない事が
非常に多い、のです。お味がキライなわけではなく、美味しく食して
しかる後に具合が悪くなる、哀しい胃腸を持っているのです。
しかし、この時は、後でどんな事になろうとも、絶対に行くのだ、
と心に固く決意して青山へ向かったのでした。

お店は素晴らしく、お料理も素晴らしく、ワインも素晴らしく、
その夜はまるで夢のような一夜でした。
デザートがやってきた頃、ギターを抱えた伊人のおじさんが
私たちの部屋へコンバンハとも言わずににこやかに入ってきました。
するとその夜の会合の会長が、「何かリクエストしたら?」と言います。
え、いいのですか、何でもリクエストしても?!
美味しい食事とワインでかなり良い気分になったワタシは、
大好きな『コメプリマ』をリクエストしました。
おじさんは期待通りに伊語でかの曲を歌ってくれました。
何度も言うようですが、かなり酔っていたワタシは、自らの音痴も忘れて、
おじさんの歌にあわせて『コメプリマ』を歌ってしまいました。
伊語の歌はカタカナで覚えられます。そして歌えるのでした。
何度も聴いているうちに勝手に覚えてしまっていたのでした。
次から次ぎに『ノノレタ』『アルディラ』等々をリクエスト。
おじさんは最初の頃は各席をまわって歌っていましたが、
もう今ではワタシの側で歌い続けています。そしてワタシも歌っています。
最後の最後に、原題がわからない為に、リクエストできない曲を
日本語で言うとおじさんはにっこり頷いて歌ってくれました。
『頬にかかる涙』・・・いまだ原題を言えませんが大好きな曲です。
(ほかにも原題知らないけど好きな曲がたくさんあって、
それらもいまだにやっぱり言えません。だって、日本語の題名がインパクトあって。
『花咲く丘に涙して』『砂に消えた涙』『君に涙と微笑みを』なんて素敵!)

たっぷり食べて飲んでそして歌って、シアワセなシアワセな夜でした。
そして、たっぷり食べた伊料理にもワタシの胃腸はびくともしませんでした!
おじさんと夢見心地で歌いまくったからでしょうか???
そして、我々が歌いまくっていた間、他の方々がどうしていたのか
そんなことは記憶にまったく残っていないのでした。スミマセン。

同じくカンツォーネ好きな我が母は、自分の出棺時には
『アリベデルチローマ』を流して欲しいと昔からワタシに言っております。
[PR]
by orochon3 | 2005-08-19 23:13 | その他(ほぼお酒) | Comments(0)

すだち・ラヴ

すだちはお好きですか?
ワタシは大好きです。
すだちの青い小さな実も白くて愛らしい花も、すだちの全てを愛しています。
とにかく何にでも搾って食べています。
秋刀魚にすだちは王道。お漬け物、お吸物、フライもの、鍋物。
さっと焼いたお肉にも、すだちは欠かせません。
天麩羅が苦手だったのですが、ある時、すだちを搾って、
お醤油を少したらして食べてみたら、いけました!
天つゆが好きではなかったのですね、というか、天つゆと天麩羅、
という組み合わせがどうも好きではなかったらしい。

以前、いつものスーパーのすだち売り場を見たら、
「すだちはお料理を美味しくする王様」ということが書いてありました。
日本料理においては、すだちを加えると何でもメチャクチャ美味しくなる!
と断言して書かれていました。ウム、ウム、と頷いて、一袋カゴに入れました。
でも。すだちは高いですね。時期によると1個200円くらいすることもあります。
それで、ワタクシは特別のルートを徳島と結びました。スダチ・ライン。
そこから箱買いして冷蔵庫にはすだちがたんまりとひかえています。

今年三月に、徳島に行ったとき、「スーパーすだち酎」なるお酒を購入。
これは酎というわりにはベースがウォッカです。
ほのかなすだちの香り・・・ということはワタシには物足りない。
で。すだちを一個搾り入れ、皮もついでに放り込み、クルクルまわして、
ロックで頂きますと、ああ、シアワセ・・・という事になります。
夜、特に梅雨時のお風呂上がりに、これを頂いていると、
すだちと梅雨のある国に生まれて良かったなぁとつくづく思います!
しかし何故かBGMはカンツォーネが良いですネ。
「コメプリマ」「ほほにかかる涙」などのおおげさでロマンチックな曲が
梅雨の湿った空気とすだちの爽やかさによくあいます。
梅雨が明けたら、BGMはハワイアンに変えて夏に向かって全開!
熱帯夜も吹き飛ぶくらいに爽やかでトロピカルな日本の夏を満喫しませう。
あ、エアコンは不要です。自室にエアコンありませぬ。
祇園祭で配られたうちわで仰ぎながら、汗をかいたグラスですだち酒を!
これで夏は無敵です。

b0019591_9383156.jpg

[PR]
by orochon3 | 2005-08-18 23:22 | その他(ほぼお酒) | Comments(0)

家族会議

「私のようなつまらんものに」という佐分利信に、
及川道子と桑野通子、そして密かに高杉早苗までが
心を寄せてしまいます・・・なんで???っていうくらい、
佐分利信は全然魅力的な役柄じゃない!のに。
会社をのっとられたり復讐したりと、忙しい映画です。
そして佐分利信は、始終金策に走りまわっています。
この男のどこがいいんだろう?とずっとハテナマーク。

及川道子さんは和服の大人しいメソメソしたひと。
高杉早苗さんは洋装のモダンで活動的なサッパリしたひと。
途中までは和服で、ふられたらブチ切れて、洋装モダン嬢になる桑野通子。
三人三様の女性陣がとってもおもしろくて、目がはなせません。
皆さんお金持ちのお嬢さん方という役柄で、贅沢な服装を見るのも嬉し。
これは、カッコイイ早苗さん。すごい大胆な行動力!帽子がお洒落。
b0019591_2253915.jpg


途中で、レイクサイドホテル?なるリゾート地へ一行は参ります。
そのホテルのロビーがかっこいい!セットでしょうか。
b0019591_2254930.jpg


そして、早苗さんが運転する自動車で、六甲山?をドライブ。
途中で映るケーブルの駅、なかなか素敵な駅ですね。
b0019591_226046.jpg


そこから有馬の別荘を訪れる早苗さん、道子さん、佐分利信の一行。
この別荘も洋風のお洒落なお宅でした。
b0019591_2261074.jpg


映像的にも色々こっているようで、おもしろい構図がたくさん目白押し。
頭上から撮ったり、シルエットにしてみたり。実験的な感じもしますが。
街並みの場面も多く、特に心斎橋あたりの商店が良いです。
このころ心ブラしてみたかったものです。

ファッションでは、もちろん早苗さんのドレス姿が秀逸です、
当時の最先端でしょう。フランス仕込みでしょうか、ヒラヒラドレス、
斬新なスーツ、どんどん着替えてファッションショウのようでした。
また、佐分利信の妹か姉さんらしき女性の和服姿も!
b0019591_2244813.jpg

どうですか!星柄の着物なんて着てみたい!!
そして、このクラッチバッグ、探しているのですが見つかりません。

b0019591_2251648.jpg

この帯留めと帯締めもおもしろいですね、位置がめちゃくちゃ下です。

そうそう一番肝心なことを忘れていました。
今まで佐分利信贔屓だったワタクシですが、この映画で断然変更予定。
この方にヒトメボレしました。調べてみましたら高田浩吉さんだったのですね。
岡田時彦さんに次ぐ男前。まいりました。

b0019591_226205.jpg


この高田氏と、ふられて俄然魅力的なモダン嬢になった桑野ミッチーが、
自然にくっついてしまうのです。美男美女、麗しい二人ですが、
あえて、美しい後ろ姿をたっぷりご覧あそばせ。

b0019591_2263045.jpg


内容よりも、こんな脇道ばかりですが、充分楽しんだ作品でした。
時代的にも、ファッションを愉しめる良い時代だったのですね。

昭和11年・製作・松竹キネマ(大船)/監督・島津保次郎

追記;
和服姿もそこそこ美しい桑野通子サン、お酌の仕方も勉強になりマス!
b0019591_2252739.jpg

[PR]
by orochon3 | 2005-08-05 22:34 | 戦前松竹 | Comments(0)

「お菓子放浪記」西村滋

407頁、あっというまに読んでしまいました。
優しい優しい文章でした。
悲しい時も嬉しい時も感動した時すらも涙腺の弱い私には
とても辛い物語でした。

孤児。天涯孤独。
それがどんなふうにその子を包み込んでしまうのか、
この本でよくわかりました。
『一本の手紙を二日にわけて読むというのは、
わたしのような少年の独特のチエでした。
楽しいことがあると、それを湯でうすめるようにして、なるべく多く、
ながく味わおうとするのです』
どんな幸福もどんな逆境も、もしかしたらそんなに変わらないのかも、
そんな風にすら思えてくるくらい彼は強い。
そんな彼だからこそ、優しい女先生や、良い人すぎる刑事さん夫婦や、
旅回りの役者たちが、彼の人生に大きく関わったりするんですね。

彼の人生の美学、というと大げさなようだけど、
心底感心してしまったのは、世話になった旅の一座にそっと別れを告げて
去って行くという場面でした。
『わたしは、これ以上、離散する一座に迷惑をかけたくはなかったのです。
最後の最後まで情にすがりたくない・・・といえば、いかにもいさぎよい
みたいですが、そういう消え方をすることで、一座の人びとに自分の印象を、
つまり、心残りを残してゆきたいという甘えだったのかもしれません。
「あいつも、なかなかしゃれた真似をしやがるな」
と、一抹のさみしさをいだいて語り合ってくれる場面を想像するのです』
こんな風にしか生きられない少年がいたのですね。

彼にとって忘れられない刑事さん夫婦を訪ねた時、
思いがけない歓待を受け、その上に当時は貴重すぎるくらい貴重だった
お汁粉をふるまわれた少年は、思わず両手を畳につけてお礼を言う場面。
あたたか心を持った人がいること、それを素直に感謝する人がいることに、
思い出しただけでも胸がつまります。
良い本を読んだなぁと思う一瞬です。

昭和15年頃の、少年の憧れの職業が書かれていました。
コック、画家、音楽家、競馬の騎手、マドロス、工芸家、作家、
その他、旅館の番頭という変わった意見もあり、
もちろん主人公の少年の夢はお菓子屋さんでした。

b0019591_2311572.jpg



ちょっとだけ残念なのは、物語の最後が、なんだか教科書のように
いやにお説教くさくなってしまったこと。
そしてもっと彼の放浪を読み続けていたかったのに、
なんだか良いところでおしまいになってしまって残念至極。
[PR]
by orochon3 | 2005-08-02 23:14 | | Comments(0)

「『きもの』は女の味方です。」森荷葉

まだまだ着物ビギナーなので、こういう本は気になる存在。
とりあえず、きちんとした基礎を知っておきたい、というのと、
どこまでがOKで、何がNGなのかということを把握したいのです。

著者は「和」に精通している方で、
「お茶目な色気漂う“荷葉流着こなし”がおしゃれな女性達に大人気!」
と紹介文がついていました。基本的にこういう本は買わないのですが、
何せ着物の世界のことは皆目分からない事だらけ。
片っ端から読んでみて、自分で取捨選択すれば良いかな、と。

このあいだ読んだ「幸田文の箪笥の引き出し」(青木玉)も、
そんな理由で読んでみたのですが、内容はそれこそ素晴らしいのですが、
これは私の行こうとしている道とはちょっと違うナ、というのが正直な感想でした。
確かに素敵な着物、格好イイ着物、潔い着物、でありましたが、
ではこのような着こなしがしたいのか、となると首を縦には振れないのでした。
でも二点、お。これは良いなぁ!と思ったのは、芸術院賞の祝賀パーティに
誂えた着物。
上前の裾から40cmくらいあがったところから反対の下前のつま先に向かって、
ぐるっとなぞえに一線を区切って共の薄色になった無地の縮緬。紋付き。
これを幸田文さんは色違いで二枚用意されたそうで、タネをあかせば、
色違いの着物を切り下してつけあわせ、色違いの二枚が出来上がったとのこと。
胸元に薄い色にするか濃い色の方をもってくるかは、その日の顔の色合いで決める。
このアイデアはおもしろい!何よりちゃんとした実のある贅沢ではないですか!
もう一点は、大好きな幸田作品「きもの」の装幀に使われた黒の羽織。
娘の玉さんの結婚に際して羽織を誂える時、はおらせてみたら、まるでダメ。
文さん曰く「どう見たって私の借り着に見える。あんたはまだ黒を着る器量がない」!
数日後、その黒羽織の右の外袖、左の内袖に、可愛らしい小花模様の生地を
くっつけてしまおう、そして本当に黒が似合うようになったら
袖先の生地をハズしなさい。と、上機嫌で提案する文さん。
その羽織が「きもの」の装幀に使われたのだそうです。
あの本、内容もよろしく、美しい装幀がまた素晴らしく、大切な本の一冊です。
黒にかわいい小花模様が斬新でいて、洒落ているなあと思っていました。

b0019591_11244850.jpg


その他、花紋のくだりなぞはわくわく読んでいましたが、
結局、幸田文さんという方はお父様からの厳しい躾で、
「女の持つ着物への執着から解脱してしまった」という方。
まだまだ煩悩いっぱいの私には到底真似なんてできないし、恐れ多い。
という結論に達したのでした。何より私は派手好みの関西人でもあります。
そこで、この「『きもの』は女の味方です。」を手に取ってみたのでした。
期待通りの「幸田文の箪笥の引き出し」とは対局にあるような内容。
今の私にはナルホドーと思える事がたくさんあって、こちらの方が実践的。
そんな時には、メモ、メモ、です。

たとえば。
・着物と帯、長襦袢、伊達衿などの色の組み合わせで四季を表現する。
(夏だと、白×緑=柳、秋だと、紫×白=萩、冬だと、象牙色×白=氷 など)

・帯と帯締めのコーディネートには、同系色の濃淡を選べば失敗ナシ。
 進んで、青系統の着物には黄色系統の帯締め、ピンク系統の着物には緑色系。
 紫と黄色、赤と水色、黒と白、ピンクと紫、象牙色と青色、など、
 着物特有の色あわせ。どうしても決まらない時は、象牙色が比較的なんでも合う。

・長襦袢は洗える素材を。東レのシルックが良い。安いぺらぺらの正絹よりも、
 最高級の合成繊維がおすすめ。着たあとは半衿の汚れをさっと歯ブラシでおとし、
 ネットに入れて洗濯機でOK。

・袷の着物に結ぶ帯は、なるべく薄いもの、軽いものを。
 塩瀬の帯や綸子の帯なら少し厚手でも大丈夫。
 夏の帯は、汗をかいて帯がてろんと柔らかくなるから、
 普通の固さの夏用の帯芯を入れる。

・羽織の裏地に派手なアンティーク柄をもってくると素敵。スカーフなどでもきれい。

・草履は三足あれば良い。
 一足目は、白の台、白の鼻緒、前ツボは京紅の赤。
 (礼装から小紋、紬までOK)
 二足目は、黒の台、白の鼻緒、前ツボは赤、黄緑、オレンジなど
 (黒や赤、水色などにも。粋)
 三足目は、藤紫の台、白の鼻緒、前ツボは黄色。
 (趣味感覚で。台は好きな色でもよい)
 素材はエナメル、鼻緒は必ず白を。足袋も白がおすすめ。
 足先がすらりと見えるから。ちなみに、下駄なら柾目が通った白木の下駄。

その他、お酒を飲みに行く時には、足が少しむくむからストレッチ足袋が良い、とか、
たくさん写真を撮って着姿を研究しましょう、とか、
今、現在の自分に必要なアドバイスがてんこもり・・・
実用書とはこのことなのかなぁと思いながら頭にたたきこみました。

「洋服を選ぶ時のように、自分の視点で着物を選び、自分ならではの審美眼を養って、
“わたし流”の着姿をつくっていきましょう」と提案され、やってみようーと張り切っています。

b0019591_11251296.jpg

[PR]
by orochon3 | 2005-08-02 22:18 | | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


by orochon3

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

カテゴリ

全体
戦前松竹
戦前東宝
戦前日活
新興キネマ
戦後映画
映画その他(洋画)

着物

その他(ほぼお酒)
ワイン会
美容&健康
日記

最新のコメント

団長さまありがとうござい..
by orochon3 at 08:10
 お久しぶりです。  ..
by さきたか at 19:54
nonchalantサ..
by orochon3 at 13:59
はじめまして いつも楽..
by nonchalant at 13:27
ピリさま!ありがとうござ..
by orochon3 at 08:54

ライフログ


巨人ナインが愛した味 ― 情熱料理人「梅ちゃん」のおいしい交遊録


キネマの美女―二十世紀ノスタルジア


昭和モダンキモノ―叙情画に学ぶ着こなし術


女学生手帖―大正・昭和乙女らいふ


ノスタルジック・ホテル物語


消えたモダン東京 (らんぷの本)


大正住宅改造博覧会の夢―箕面・桜ヶ丘をめぐって (INAX BOOKLET 別冊)


シネマ大吟醸 (小学館文庫)

以前の記事

2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
more...

タグ

(146)
(131)
(96)
(17)
(11)
(9)
(8)
(8)
(6)
(6)
(5)
(5)
(5)
(5)
(4)
(4)
(4)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(3)
(2)
(2)
(2)
(2)
(2)
(1)
(1)

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

お酒・お茶
映画

画像一覧