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晴曇

歳も押し迫ったこの時に、こんなことを書いている私は、
かなりヒマな人なのだろうなあと思いつつ、忘れないうちに。

久しぶりの松竹です。
なんと栗島すみ子嬢と田中絹代嬢の二大女優夢の競演!
どちらも大好きなので比べられませんが、やっぱり絹代チャンかなあ。
久米正雄原作のこの作品は、珍しくも2時間という長さ。
しかし見応えある力作と感じました。

あらすじは、大学生の男子二人とそれぞれの恋人(すみ子嬢と絹代嬢)、
すみ子嬢は実業家のお嬢さま、絹代ちゃんは下宿の娘。
お二人とも和装ですが、見事に貧富の差が見てとれます。
すみ子嬢のお部屋なんて童話のお姫様のお部屋みたいです。
しかし、絹代ちゃんを恋人にもって男女の関係にまで進んでいた筈の
黒田くん(珍しい悪役の大日向伝)は、野心をメラメラもやして
すみ子嬢に近づき、するりと入り込んで結婚してしまいます。
その時には絹代チャンは既に身籠っており、涙、涙。
よくあるパターンではありますが、元すみ子嬢の恋人で、
親同士で入り婿の話まで出ていた辻村くんが、誠を持って救います。
僕がお腹の子の父親になろう、と覚悟を決めて二人も結婚!

黒田くんとすみ子嬢の結婚式はかの帝国ホテルライト館でした。
舞台では二人の美女が舞を舞って、参列客をもてなします。
場所を移って披露宴会場は長いコの字のテーブルプラン。
もちろん洋食のようですが絹代チャンが途中で気分が悪くなり、
何故か新郎新婦の控え室で横になりますが、、、。
これはホンモノの客室ではなくてセットでしょうね。
見たかったです、当時のナマ・ライト館の客室。

最後は悲劇的というかなんというか意味不明でした。
こういう時、やっぱり時代の差を感じてしまってカナシイ(涙)。

ともかく、すみ子嬢の絢爛豪華さと絹代チャンの可憐さを堪能!
年末に良いものを見せて頂きました。
吉川満子サンはやっぱり母親役なんですね、ここでも!

昭和8年/松竹蒲田撮影所/原作・久米正雄/監督・野村芳亭
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by orochon3 | 2010-12-31 15:26 | 戦前松竹 | Comments(0)

頂きました!

2年前の某所にて、
「隠岐ノ島旅スケッチ」の円満字さんから教えてもらった「天引」というお酒。
難しいことは忘れましたが自然のお米で自然のお酒なのだとか。
美味しそう!呑んでみたい!!と熱望しつつ、ご縁なく、、、
今年の楽町楽家で、N吉どののお宅のお玄関先に「天引」発見!
円満字さん、来られたのですか?!とN吉どのに思わず尋ねてしまいました。
その夜のパーティにと「天引」をお持ちになったのだそうです。
しかしパーティに参加できなかったワタクシは「天引」を目にしただけ。
いったん見てしまうとあの瓶が目にやきついて困りました。
そして今秋、円満字さんにお久しぶりにお目にかかり、
はしたなくも「天引」「天引」と騒いでおりましたら、
なんと先日、円満字さんから「天引」が贈られて参りました!!!
ビックリ仰天!
なんとお優しい方なのでしょうか。
意地汚い我が身を恥じつつも、ありがたく頂きました。
ありがとうございます、ごちそうさまでございました。

そして、肝心のお味です。
名前からウルフ千代の富士みたいに鋭いお味を想像していましたが、
さらりとしていやみのない、肌にそっと寄り添うような、
爽やかハンカチ王子のように柔らかで優しいお味でした。
最後まで呑み干さずに少し残しておけば、
翌日また一杯に満ちている瓢箪のお話がありましたね。
それに入っているのはこのお酒だと思います。
山奥深い渓谷に住む仙人はその瓢箪片手にいつもほろ酔い。
なんとも幸福そうな仙人の笑顔が思い浮かんだお酒でした。
そんな瓢箪が欲しいです。
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by orochon3 | 2010-12-30 07:04 | その他(ほぼお酒) | Comments(0)

Dinner Rush

カウンターでの食事をあまり好みません。
オープンキッチンのお店しかりです。
キッチンが見えるのがイヤなのです。
これは長年料飲の現場にいた為に、中が見えると気になって、
単純に食事を愉しむことができないからです。
で、この映画はニュウヨークの伊料理店での一夜のお話。
色んな背景は違えども、現場というのはどこも同じようなもの。
オープン前の雰囲気、オープン直後のまだ少しのどかな感じ、
そして文字通りのラッシュ、、、調理場とお客様をつなぐランナーや
サービス員のかけあいは、本当にどこも同じなのでした。

通した料理がなかなかあがらず、ゲストが怒りだし、
ひら謝りに謝って厨房に文句を言いにいく。
予約のゲストが時間になっても現れない、、、他の予約を泣く泣く断る。
特にお盆やクリスマスからお正月にかけての時期、
こういう場面に幾度遭遇したことでしょうか、、、。
大抵の場合、ゲストが怒るのは空腹だからだと思います。
遅い!とものすごく怒っていても、美味しい食事で満腹になると、
何事もなかったかのように笑顔で店を出ていくのです。
もちろん自分も含めて、です。
美味しい食事というのは、それだけで人を幸せにするのですね。

などと、のんきに懐かしさにひたりながら観ていましたら、、、!
あっ!という出来事が起こりました。
漫画のように、えっ?と本当に声が出てしまいました。
まさかあの人がこんなことするなんて。
それで色々合点がいって、久しぶりに観終わってムフゥとなりました。

シェフのウードを演った役者さん、いかにも、というイイ感じでした。
それにしても料理人が料理を作っている時、本当に幸せそうですね。
文字通りラッシュ時に活気が出て、フル回転している時、
変なテンションでスタッフが走り抜ける時、
みんなが良い顔をしていたら、その店は繁盛するのだと思います。

この映画、もう10年も前の作品なのですね。
舞台の伊料理店は、流行でしかも美味しいのだと思います。
ゲストがみんな、とても良い顔をしています。
ここでオープン時間直後の頃にゆっくり食事をしてみたい!
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by orochon3 | 2010-12-26 09:29 | 映画その他(洋画) | Comments(0)

師走の京へ

以前ご紹介した円満字さんのご本「隠岐ノ島旅スケッチ」の出版記念
第三回円満字洋介スケッチ展に行って参りました。
場所は京都の北区、建築家本野精吾自邸という素敵なところ。
もちろん初めてお邪魔しました。
円満字さんのおかげです。

スケッチ展は、ご本の中に収められていない作品もあって、
それについてくる文章もたのしく拝見しました。
私はやっぱりたまねぎの画が好きでした。
ご本では大きな作品をイメージしていましたが、
実際はどれも葉書の大きさで、たまねぎの愛らしさは倍増!
なでなでしたくなります。

本野さんのおうちもしっかり拝見しました。
おだいどこの横にある女中部屋が意外に大きく感じられ、
「小さなおうち」を思い出しながら心躍らせました。
私は幼少の頃、某作家の先生のお手伝いさんになりたかったのですが、
こういうお部屋で先生のために働けたら、、、と夢想しておりました。

冬の京、お陽さまの光が差し込む静かなお部屋で、
円満字さんの作品にあたたかく包まれ、幸福なひとときでした。
(スケッチ展は明後日まで!)

ついでながらに、ずっと行きたかった岡北
大好物のけいらんうどんを食べました!
お出汁がぐいぐい迫ってくるけいらん、、、これは京都でないと!
細くてもっちり柔らかいおうどんとあんがもうたまりません。
食後しばらくお出汁が口中に漂ってこれまた幸せ!
この幸せに、平安神宮にて感謝のお参りをさせて頂きました。
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by orochon3 | 2010-12-10 16:57 | その他(ほぼお酒) | Comments(0)

砥部焼

熱田津が道後温泉近くの港だったとは、
今の今迄知りませんでした!
別に万葉集に造詣が深い訳でも興味がある訳でもなく、
ただただ少女時代に漫画で読んで知っていただけなのですが、
私にとっては非常に親近感のある場所なのでした。
お酒の名前がご縁で判明した事実、、、お酒が好きで良かった。

20年ほど前に道後温泉に来た時に、砥部焼の窯元を訪ねました。
ぽってりしてつるんとして、白に藍や赤がかわいい砥部焼は、
普段使いにぴったりな丈夫な焼き物で大好きです。
窯元までは行けませんが、商店街に砥部焼の卸のお店があるので、
今回、元気になった記念に何か買い求めたいと思っていました。
けれどそのお店は開いていませんでした、残念無念。
諦めていたところ、用事で行った先が三越百貨店のすぐ近く。
帰りにちょこっと寄りましたら、砥部焼コーナーがありました!
悩んだ末にかわいい湯呑みとマグカップを選びました。
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愛読している高峰秀子サンのエッセイの中で、
彼女の知人たちを焼き物に見立てるというくだりがあります。
いくつか並べてみます。さすが、うまいですねェ、、、。

 司馬遼太郎 李朝白磁
 成瀬巳喜男 黄瀬戸
 市川崑   織部焼
 笠智衆   埴輪

 幸田文   花唐草
 森光子   タコ唐草
 美空ひばり 益子焼
 越路吹雪  ボヘミアングラス
 高峰秀子  むぎわら手

あつかましくも鍋島焼が私の理想の姿なのですが、
できれば伊万里の白磁がいいなあと思っていました。
けれどこの砥部焼を眺めていて私はこれかも、とふと思ったのでした。
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by orochon3 | 2010-12-03 13:48 | | Comments(0)

伊予松山に行きました!

『いい旅夢気分』という番組が好きなのですが、
これを観るたび「どこかに行きたい!」とイリイリした気分になり、
夢気分とはほど遠い気分になっておりました。
そんなある日、松山に行く用事がふってわいたのです。
長距離ドライブは腰痛にはきついのですが、
最近すこぶる調子が良いので思い切ってみました。
結果的には道中無事、何事もなく元気で帰って参りました。

松山といえば「坂の上の雲」ですね、もちろん!
そのミュージアムができたと聞いた時から行きたかったのです。
それに道後温泉がありますね、20年ぶりくらいの再訪です。
朝8時半に出発し、途中は用心の為に何度も休憩をとりつつ、
津田の松原SAでセルフのおうどんを頂き、旅気分は盛り上がります。
松山に着いたのは2時。お宿は道後温泉です。
少し休んでから道後のまちを散策、、、『いい旅夢気分』みたい!
懐かしい本館の横に道後麦酒館なるお店ができていました。
もちろん、入ってみたのは言うまでもございませぬ。
漱石、マドンナ、坊ちゃんの三種類がありますが、
それぞれスタウト、アルト、ケルシュとなっています。
お値段は500mlで840円とかなりお高いです。
我々は漱石と坊ちゃんを注文。お高いので?美味でした。

商店街をひやかして、地酒を調達しました。
道後麦酒もつくっている水口酒造さんのお酒で、三種類の飲み比べセット。
夜の食事の時にはこの神泉の仁喜多津をひやで貰いましたが、
お食事の邪魔にならない、日本酒らしい美味しいお酒でした。
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仁喜多津、、、にきたつ、、、聞き覚えのある言葉です。
百済に出兵する時に額田王が皆を鼓舞してうたったといううた、
「熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな」
この熟田津だったのですね、このお酒の名前は!
何故ワタクシがこんなに興奮するのかというと、
大和和紀先生の天の果て地の限りという作品を
小学生の時に読み夜眠れなくなったほど興奮した経験があるのです。
カーリィヘアで冷酷な中大兄皇子が格好良かったのです、、、。
ちょっと脱線してきたので、続きます。
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by orochon3 | 2010-12-01 17:59 | | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


by orochon3

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