波濤

アパアトでのイキイキとした生活描写が満載で、
こたえられない場面の連続。
後半、三人娘が仲良く家を借りて共同生活をする、
というのも愉快痛快ですてき。
お互いに飾らない言葉で、親身な仲で。
ワンピースを着て、畳に椅子を置いて、お茶を飲んで、
トランプしたり編み物したり。

喫茶店も出てきます!
GINZA SALONとかいう店らしい。
横文字のポスターなんかが貼ってあって、
観葉植物がおいてあって、鉄パイプのモダンな椅子。
そういえば岡部くんのオフィス?もモダンでした。
コーヒを“うんと冷たくして”飲んでいました。

すじももちろんお芙美さんですから文句なし。
ぐいぐい強引にもひきこまれます。
見終わるのが惜しいと思うくらいおもしろい!
東京のみならず滋賀や大阪や中支や信州の温泉や・・・。
旅好きなお芙美さんらしいです。
そして果ては釜石まで、通子サンは飛んでいきました。
あちし、帰らないつもりで来ました」
やったー!!

林芙美子。
桑野通子。
徳大寺伸。
みんな好きだ。

昭和14年・松竹/監督・原研吉
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# by orochon3 | 2004-11-11 23:32 | 戦前松竹 | Comments(0)

母は死なず

昭和初期から17年までの短い間ではあるけれど、
その間に生きた須貝氏一家の物語。
何はともあれ、須貝氏が市中を求職に歩きまわる時、
営業に歩きまわる時、街の風景が次々に撮し出されて
もうホクホク。たまりません。
小さな商店の並ぶ町並み、そうした一番身近な風景は、
何故かしら懐かしく、胸が切なくなるくらいに何時までも見ていたい。
店も家もどこもが天井が低くて何もかもが少し小さい。
今でも東京のラーメン屋などはそういう店があるけれど、
広々とした卓に大きな椅子、広い店内、という飲食店だらけの今、
ここに出てくる店はちっちゃくて狭くて実にいい感じ!

修吾くんが学友達と寄り道してた銀座のオープンレストラン!の
お洒落なこと、びっくりしてしまった!!
ライスカレーみたいなのを食していたらしいけれど、いいなぁ。
幼い修吾くんがちょっと不良?になって夜店を歩いていると、
モンパリが流れているというのも、いいなぁ。

入江たか子サン、美しすぎて・・・クラクラ。
若い若い轟夕起子サンもとてもキレイで歌がお上手。
そしてそして、ダレよりも菅井一郎サンの渋さに脱帽。
背中の演技にひきこまれました。いいなぁ。

昭和17年・東宝/演出・成瀬巳喜男
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# by orochon3 | 2004-11-06 23:05 | 戦前東宝 | Comments(0)

日常の戦ひ

どうみてもまったく正統派の国策映画です。
佐分利信がまたしても一家の大黒柱として
お手本のような父、夫、そしてその社会的役割を
見事に果たしておられます・・・と、
無意識に敬語を使ってしまうくらい正しい映画。
話のすじも、みんな最後は良い人になって戦争のため、
日本国のために尽くすという結末、単純な私はどこかほっとする。
えらいなぁと感心する。とってもコワイですね、はまってしまって。
こういう素直で単純な人間は、ワルイ事はできないけど、
こんな映画一本でワルイ事をヨイ事だと思ってしまうのです。
コワイコワイ。

佐分利信。
私はファンです。
にやけた上原謙も好きだけど、佐分利信はイイ!
口数の少ない、けれども暖かみのある、
実のある男性を演じさせたらピカイチでしょう。
この映画でも、夫人である轟夕起子サンが羨ましいくらい。

で。
日常の、というくらいですから、本当にもう普段の生活が、
細々とウレシイくらいに描かれていて大興奮。
昭和19年の、大学助教授サンのおうちでの生活。
ちょっと文化的な洋間がついたお宅。
お食事は畳に卓袱台で。書斎は素敵な洋風。
書斎には普段は鍵がかかっているようだけど子供が
入ってイタズラしちゃってお母さんに叱られていました。
お台所はわりあいに広く、使い勝手も良さそう。
奥様が火にかけたお鍋に、おひつから何やら入れている・・・
何だろう?と思って不思議に見ていたら、勝手口に誰かがやってきて、
「もう、いまおじやを火にかけたところなのにぃ」とブツブツ。
あ、冷やご飯を入れていたのですね、というぐあい。

昭和19年・東宝/監督・島津保次郎
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# by orochon3 | 2004-10-25 23:37 | 戦前東宝 | Comments(0)

飛び出したお嬢さん

敗戦間もないまちの様子がよくわかります。
何もないってこと。だから何もかもが開けっぴろげ。
ミルクホールの婆さんも床屋の夫婦もみんなどこか
なんだかしたたかだけど優しい。
扇屋の父さんもワルイやつだけど最後はいい父さんに。
みんなまるくおさまって良かったけど、
それでもこんなストーリー展開は好きになれないわ。
イライラしちゃって。河村黎吉、憎ったらしい。

で、飛び出して来たお嬢さんは????
いてもいなくても良かったような、
いなくちゃならなかったような・・・ワカラヌ!
存在感はビシバシありましたよ、水戸光子サン!!
びっくりして腰がぬけました。
テロテロのシルクのようなパジャマを着て歩き廻って。
マニキュア塗って、子猫チャンとじゃれて。
これが戦後、アプレってのですか?こうも変わる?!
三浦光子サンこの映画でも二番手になっちゃって・・・
お気の毒ですけどそういうくわれる運命なのでしょうか。
サザエさんみたいな頭してた。キレイな人ではありますが、
水戸光子サンにはかなわないのね。

昭和22年・松竹(大船)/監督・渋谷実
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# by orochon3 | 2004-10-20 23:32 | 戦後映画 | Comments(2)

母の記念日

国策映画の王道をまっしぐら。
それでも大黒柱の父親不在の家を、
母を助けながら弟妹達を守る長男、佐分利信がバツグン!
両親や目上の人に正しく美しい敬語で接する礼儀正しさ。
女性や目下などの弱者へのいたわりと優しさ。
一家がつつましく暮らす様には感動。
ああいいなぁ、こういう姿はもう壊滅しましたね・・・
こういう国民がどうして・・・???

戦争邁進すべてを祖国勝利のために!という志が
決して素晴らしいとは言いません。
それでも、この頃の日本人の美しさには、
強く憧れてしまうのは、なぜでしょう。

台所の場面が多かったので大満足。
お客様が来て淹れるのが日本茶でなく紅茶というのも、
なんだか嬉しく楽しくなる。そうでなくちゃ!
お母さんの記念日に開けた葡萄酒は、恐らくハーフボトルで、
注いでいくグラスは、ちっちゃなリキュールグラス。
それも注がれる時にも手に持って・・・
こういう場面は戦前の邦画にはよく見られます。
実際のお作法ではどうかと思うけど、いいなぁ。
赤い葡萄酒にはチビのリキュールグラスがよく似合う!

女優さんは三浦光子さん。それよりお母さん役の三人が、
それぞれに個性的でしっかりしていて素晴らしかった。
特に岡村文子サン!!スキだわぁー。色んな映画で大活躍です。

昭和18年・松竹(大船撮影所)/監督・佐々木康
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# by orochon3 | 2004-10-18 23:10 | 戦前松竹 | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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