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胡椒息子

戦前の東宝映画ですが、1937年にかのPCLが京都のJ.O.スタヂオと合併して、
「東宝映画」になったので、この映画はちょうどその翌年の公開です。
昭和13年。
兵隊さんも軍歌も出てきますが、軍国色に染まった雰囲気はありません。
大きなお屋敷の坊ちゃん昌二郎クンが主役の男の子。
『泣蟲小僧』もこの子だったのですね、同じ年の公開作品でした。
なんとも可愛らしく健気な男の子です。
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タイトルからして、『いたづら小僧』みたいな物語なのかと思っていたら、
まったく違いました、もっとしっかりした少年でした。
なるほど、獅子文六の原作だそうです。
三人兄弟の末っ子だけど、実はお父さんが芸者に生ませた子でした。
お母さんは何かと昌二郎に冷たくあたりますが、
何も知らずにすくすくと育った昌二郎はばあやが大好き。
ばあや役は、気のきついおばさん役が多い清川玉枝サン、今回は優しい!
ボッチャマとばあやは大の仲良しです。
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この映画は大きなお屋敷が舞台で、色々見所が満載でした。
玄関のお車寄せ。
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家の者はコチラの扉を使うようです、玄関を入ったところ。
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お客様は画面左にある大きな扉から入られます。
そして入ったところにテーブルセットが急遽用意されます。
こういうのは普通の習わしだったのでしょうか???
靴をいつどこで脱ぐのかが疑問です。昌二郎はスリッパをはいていました。
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こちらは兄さま姉さまが居るお部屋。細部が素敵です。
兄さまがうなだれているのは、妾腹の昌二郎を理由に婚約を破棄された為。
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家のものもお客様がいらしてもこの食堂でお食事。おやつもココで。
おやつと言っても案外質素で、栗の茹でたものが出ていました。
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女中達が働く部屋からみた台所。立派な冷蔵庫があります!
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お庭から見たお屋敷の一部。昌二郎クンが飛行機を飛ばしています。
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そして、ココからが最大の見所!お風呂場です!
ばあやに洗ってもらう昌二郎クン。
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サービスショット、お湯がほとばしるシャワー口です。
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最後にもっとスゴイサービスショット。
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全てがまるく収まり、親子仲良くお風呂で寛いでいました。
ラストシーンも良かったですが、私はこの場面が気に入りです。
原作とは結末が違うようですが、私は映画の結末も好きです。
次回、着物編へつづく。

昭和13年/製作・東宝映画(東京撮影所)/原作・獅子文六/演出・藤田潤一
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by orochon3 | 2012-07-13 15:00 | 戦前東宝 | Comments(0)

田園交響曲

近頃、ビデオに録ってまで毎日観ている『緋の十字架』と『貞操問答』というドラマ。

貞操問答の方は二年前に読んだ原作があまりにおもしろかったので、
どういうドラマになるのか興味津々で観始めたのであります。全然違うみたい。
筋書きは原作の方がはるかにドキドキスリルがあっておもしろいのでは?と思いますが、
ドンドン着替えて出てくるさくらさんの昔キモノがかわいらしくて、でも着こなしは、
正統派で、現代的なのが残念!渋谷亜希さんの洋装は素晴らしく格好良く、
あらすじはひどいのですが、ファッションは見逃せませぬ。

『緋の十字架』の方は、なんだかなぁ〜と思いながらつい、観てしまうとういか、
続きが気になるというか。波瀾万丈というかめちゃくちゃなもので。
これの原作がアンドレ・ジッドの「田園交響楽」と知り、どこかで聞き覚えが・・・
ずいぶん前にビデオに録っていてまだ観ていない(そういうの沢山!ある)、
戦前映画の中に同じタイトルがあったので、同じかな?と思って観てみました。

原節子さま主演です。相手には高田稔。
高田稔の奥さんには清川玉枝サン!お医者さまに御橋公も!
どちらも贔屓です。
さて。映画はドラマよりも重厚で単純でした。
サラリと終わってしまった、という感じでしょうか、ドラマがあまりにもややこしいから?!

盲目の少女を原節子さまが演じられていますが、
最初はもう汚くてひどい、それが全然似合わないので、観ていてしんどい。
映画が始まって間もなく、美しく身なりを整えて出てこられてほっとするあんばい。
ヒステリックな奥さん、清川玉枝さんぴったりです、彼女はヒステリックだけど、
そうなる理由がよくわかるのでした。あんなコをいきなり連れて来られて、
実の娘よりも親身になってかわいがられちゃあ・・・立つ瀬ありませぬ。
きれいごとばかりの高田稔、あんまりです。玉枝さんがお気の毒!

ワタクシ的サービスショットはほとんどございません。
ちょっぴりうつる東京の街並みも凄いスピードで流されてしまうし、
ほとんどが北海道?の農村シーンばかり。

節子さまのお着物の着こなしは、やはり美しく、洋装よりも和装かな、と。
ほんと、どなたも和装はさすがにおきれいでございます。
ごくごく普通に、着ています!という気負いがないところがスバラシイのだと、
『貞操問答』のさくらさんを観ていて気が付きました。

昭和13年・東宝映画(東京撮影所)/監督・山本薩夫
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by orochon3 | 2005-11-24 23:42 | 戦前東宝 | Comments(0)

はたらく一家

貧しい、と一言で言っても、なかなか実感としては
わかるものではないので、この映画、なんだかよくわからぬうちに
「終」になってしまった、というかんじ。

徳川夢声お父さんの一家が住む近所にある喫茶店では、
かわいい椿澄枝が働いていて、一家の長男坊といいかんじ。
一家の家庭での場面よりも、私はこの店内の場面がおもしろかった。
ちょっと酔っぱらって夜に店へやってきた長男坊に、
お水ね、と言って澄枝サンがお水を注いであげるところ、
きれいな硝子の水差しに一目惚れしました!いいなぁ、これ。


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あとは、夢声お父さんを初めて映画でじっくり観ることができたくらいで、
そんなにおもしろくもなく、さらーっと観終わってしまった映画。

昭和13年・製作・東宝映画/演出・成瀬巳喜男
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by orochon3 | 2005-06-22 17:23 | 戦前東宝 | Comments(2)

風の女王

なんともヘンテコリンな映画でした。
後味の悪いこと・・・いやなもの観ちゃったというか。
登場人物がほとんどみんなヤな感じなのでした。
三宅邦子サン、改めてじっくり観たけど、ちょっとコワイ。

そんな中で、あ、そっか!と今更ながらに思ったのは、
会社の場面で、置いてあるのがすべて木の椅子と机だったこと。
スチールの机や椅子が当たり前で、当然!と思っていたけれど、
ほんの数十年前までは木製があたりまえだったのですねぇ。

お得な場面としては、温泉のお風呂場が観られたこと。
こじんまりとした良いお風呂です。
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そして、喫茶店のレジのところが映りました。
お勘定場という感じですけど、和服の女性が座っていて、
お会計時には立ち上がって応対します。
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それから、気に入ったのは、妹役(これがまた最悪なコ!)高杉早苗サンが、
家出をして身を寄せるホテルがとても洒落ていて素敵でした。
部屋の中も広々としていて、長期滞在者用のアパートメント形式ホテル、
のようなものでしょうか。作家や音楽家などが住んでいそうな。
廊下も広々、階段も螺旋風でよろしかったです。
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追記(6月11日)
冒頭、主人公とお友達が二人でスキーをしています。
そして滞在しているホテルが映り、ここもなんだか素敵な感じ!
あとで調べてみたところ、赤倉観光ホテルでロケしたそうです。
残念ながら今は建て替えられて当時の姿は見られません。
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昭和13年・製作=松竹大船/監督・佐々木康
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by orochon3 | 2005-06-01 22:27 | 戦前松竹 | Comments(0)

四ツ葉のクローバー

霧立のぼるのカワユサが炸裂してる作品
誰が何と行っても私は彼女の大ファン。

女学校の仲良し三人組・・・
昔の女学生達の過ごし方が細かに描かれている私にとっては素晴らしい作品でした!
“サッチン”“ミッチン”とか名前にチンをつけて“○○チン”と呼ぶ愛称、
通学の電車でいつも乗り合わせる憧れの男子学生、校庭の芝生でのお喋り、等々々。
我々の学生時代と根本的にはそんなに変わっていない事がよくわかります。
それがなんとも嬉しく、だからこそこういう映画を観る楽しさったらありません。
仲良し三人組はしかし卒業後の進路が全く違います。これもありがちです。
しかし選択肢がヴァラエティに富んでいて、当時はまだ珍しかったであろう
職業婦人になってゆくゆくは後妻に入るタッチンが一番普通に見えてくる・・・
だって霧立のぼる扮するミッチンは尼になるんだから!
残りの一人は有望な声楽家なのにワルイ男と一緒になって堕ちてゆく。うぅぅん、好みです。

当時のこの手の映画を観ていて、一番楽しいのは、喫茶店とか食堂での場面。
目をこらして観察します。何を飲んでいるのか、どんな食器なのか。
大概が、今とほとんど変わらないんだけどまたそれに驚いたり喜んだり。

それにしても、声楽家になったアッチン、江戸川蘭子さん。
ちょっと老け過ぎのような・・・


昭和13年・東宝映画/監督・岡田敬
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by orochon3 | 2004-09-02 09:49 | 戦前東宝 | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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