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女学生記

久し振りに、すてきな可愛らしい映画を観ました。
こんな映画、大好き!です。
昭和16年の女学生たちの日常を、そのままに映し出していて、
私にとっては夢のようなひとときでした。

女学校の4年生というから、15〜16才くらいなのでしょうか。
彼女たちの通学・授業風景、家庭での何気ない日常。
そして修学旅行?の点描などなど。
登場する生徒達も個性色々で、へんに優等生はいなくて、
みんなイキイキと楽しそうで可愛らしい!

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夕食の支度をするお母さん。いい匂いがしてきそう。

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遅刻常習者のお寝坊さんの寝室。

授業内容は、洗濯や調理実習や家の間取り設計などの家庭科的なものが
だいたい主ではありましたが、ちゃんと物理や漢文や体育もやってます。
間取り設計の宿題をしていたある少女は、自分の母親に見て貰い、
これなら女中がいるとか、いろいろ添削されたりして楽しそう。
彼女の夢見た家は具体的に映像になって現れたりもします。
かなり豪華なお屋敷になってしまっていました。

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家庭の事情が悪く、旅行に参加できないかもしれないと塞いでいる子に、
そっと靴箱に励ましと配慮の手紙を入れたり、そのお礼をまた書いたり、
そんな手紙のやりとりに思わずジンとしたり。
教室に出現した鼠を退治して、その後急にゴメンナサイネ、と鼠のお葬式をし、
挙げ句にはお墓まで建ててあげたり。
旅行先で、担任の先生の部屋を訪問してモジモジ。
お作法の時間に習ったようにお茶を出し、先生が飲んでいるのに、
夕食ですよ!の声に一斉に部屋を飛び出してしまい、
後に残った包みを先生がひろげてみるとお菓子が沢山包んであったり。
旅行の夜、お菓子を広げて怖い話をしたり。

共学、女子校、どちらも体験した身としては、それぞれに楽しく、
良い思い出ばかりですが、女子校生活の独特な楽しさは忘れられません。
「四ツ葉のクローバ」でも思ったのですが、この頃の女学生と、
あんまり本質的には変わっていないような学生生活でした。
とにかく、何を見ても聞いてもおかしくてしょうがなかった頃です。
キャーキャー言って笑っていましたし、ひどく感傷的でもあったので、
色んな事で泣いたり怒ったりしてもいました。
感受性が豊かだったのだろうと思います。
この映画を観ていたら、自分の女学校時代を思い出してしまいました。

特別出演で山田五十鈴嬢が!
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千人針を集めている若奥さんでしょうか。
彼女にある生徒が近づいて行って、私が学校で集めて来てあげます!
という場面。
そんな具合にみんな素直で可愛らしい生徒たち!
こんな女学生時代をこの時代におくる事のできた彼女達は、かなり裕福な家庭で、
しかも両親の知的レベルが高く理解があって、そして彼女達自身も
とても優秀だったのでしょう。
詳しくは『女学生手帖』に詳しいです!これも素敵な本!!

昭和16年・製作・東京発声映画製作所・配給=東宝映画/監督・村田武雄
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by orochon3 | 2005-07-20 17:25 | 戦前東宝 | Comments(3)

兄の花嫁

アレ、終わりなの?! と拍子抜けしちゃうのは、
この時代の映画を観ているとよくあることですが、
この映画、本当にそんな感じで勝手に終わっちゃったみたい。
すごくおもしろくて、ひきこまれていたので余計に・・・。

この頃の結婚式の様子が詳細に描かれていて、楽しい。
もちろんお嫁さんは和装だけど新郎はモーニング。
神式の式後控え室の様子から披露宴へ移る様子なども今も同じ。
披露宴は時節柄ということでサンドイッチのみだけど、
仲人の挨拶、新郎新婦の紹介など今も昔も変わらないのね。
そして新婚旅行へ旅立つ二人・・・実のある段取り、とても幸せそう。
本当の結婚の幸せってコレなんだろうなぁとつくづく思いました。

全編通して和服の山田五十鈴に対して、原節子サンは洋装。
寝るときはパジャマまで着ていらっしゃいます。
パジャマなのに起きてはおるものは着物なんだけど・・・。
この方、セェタとかカジュアルなものより、カチッとしたスーツが
本当にお似合いで、帽子を斜めに深く被り、ポケットに両手を入れて歩く
そんな姿がとっても格好良いです。トラッドなオーバーコートもしかり。

しかしなんてったって、新妻の山田五十鈴がカワユイ!!
男前な高田稔の旦那さんに過去の恋愛事件があった事を知った彼女、
「誰かのこと、そんなふうに思っちゃイヤよ。絶対にイヤ イヤ イヤ」
と、好き好き好きとでも言わんかのように素直な愛情で訴える。
イヤと三回続けるのにしても、全部ニュアンスが違うんですから。カワユイ!
彼女から見れば義妹であるモダンガールの原節子サンが、
自由奔放と言葉は良いけれど勝手で幼稚にさえ見えるほど、出来たお嫁サンぶり。
箱入り娘なのかと思いきや、なんでもご自分のセンスでこなしてしまう五十鈴サン。
カワユイ新妻、しっかり者のお嫁さん、でも革新的な女性。素晴らしい!
そして何より言葉が美しいのです。
帰宅した旦那さんに「お帰りあそばせ。お風呂召します?」ですから。
こんな風にはなれないけれど、少しは見習いたいと心から思いました。
そんな若奥様の着物姿も堪能。本当にカラーで見たかったですわ。

昭和16年・作=東宝映画 /製作・田村道美 監督・島津保次郎
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by orochon3 | 2005-03-20 23:06 | 戦前東宝 | Comments(0)

結婚の生態

ずいぶん愉しみました。こういうのサイコウ!
あの頃の、普通の人達の普段の生活が細々とわかる。
といっても、どちらかというとけして貧しいわけではなく、
裕福なほうの層なので楽しさ倍増。
だから飯田蝶子サンみたいなオバサンは出てこないわけ。

映画の内容よりも、気になった部分、興味深い部分は・・・

 新聞記者の夏川大二郎(やっぱり甘えた声はノゥサンキュウ)は
仕事帰りにビアホールのようなバーのような店でビール飲んでる。
冬場は蓋付ビアマグで、夏場はピッチャーに小さなグラスで。
これって多分、「女の街」と同じで夏場は生ビールなんでしょうね。
 夏川サンの独身時代のアパアトの部屋もいいかんじ。
押入のような部分がベッドになっててカーテンをひいて隠してあったり。
 よく喫茶店でお茶を飲んでいる場面が出てくるけど、同じ店ばかり。
でもって、何故かコーヒカップが先に出てて、お水が後からだったりします。
 本屋さんの店内が非常に美しかったのはセットでせうか?
本棚の本がきれいにそろっていて、妙に現実感がなかったのでした。
 新婚の所帯道具の買い出しで、両手に買い物包みを提げている図は、
実は憧れているのです。何を?って、今では何でもかんでも紙袋に入れられちゃって、
ひとつずつ包んで紐をかけてある包みを提げて歩くなんてあり得ない。
どちらが便利なのか不便なのかわからないけど、包みの紐を持って歩くの、憧れる!

そしてファッション。若妻節子さんの洋装がたっぷり堪能できてサイコウ。
やはり、モッサリとやぼったいセェタのシルエットを見ると時代を感じます。
下着が、現代のように立体的じゃないって事の証でしょうネ。
節子さんが甲深のハイヒールだったら、夏川サンも負けずにコンビのお洒落靴。
今では考えられないような、外国のような街並みを二人が歩けば、ああ映画!
節子さん、ペタンコのバッグを提げていましたが、あれはどんな物を入れていたのか?
いつも細々と持ち歩き大荷物になってしまう私には信じられないです!
あ、兄サン家の子供はパジャマ着て寝ていたナ。

新婚旅行に出かけた旅館の部屋、窓から見える半円形の建物部分は、
ちょっとモダンな洋風大浴場でしょうか。入ってみたい!!
そういえば、スケートを観に行ったスケート場は、吾が憧れの山王ホテルでした!!
立派なスケート場があったのでしょうか???かなり収容人数多そうだったみたい。

全体には、まあどうでもいいような、みんな良い人で良かったですわネ的内容。
夏川サンも節子さんも好みじゃないのでノーコメント。
(夏川サンの上司で出ていた高田稔はしぶくて格好良かったけど♪)
それにしても、夏川さんが以前つきあっていた女性からの手紙を見つけ、
「焼いて」と微笑んだ節子さんの顔の怖さといったら・・・背筋が凍りました。
結婚前にウキウキして寝床で本を読む節子さんの初々しさからは想像できないほど。
そういえば“恋する娘はうつぶせになる”という名言(「昼下がりの情事」より)
どおり、節子さん、うつぶせになって本をパラパラヤッテマシタネ!かわゆい。

節子さんのお姉さんがおっしゃった名言を肝に銘じましょう。
「たのしい夢でしっかりした判断をごまかさないで」

昭和16年・作=南旺映画 配給=東宝映画/製作・藤本真澄 監督・今井正

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by orochon3 | 2005-02-25 22:52 | 戦前東宝 | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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