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母の地図

何ともやるせない、辛い、辛い映画でした。
観るんじゃあなかった。と深く後悔しました。

たぶん、製作された時にはハッピーエンドだった、
のだと思います、きっと。
母(杉村春子)が地図上でいつも見ている場所は満州。
みんなが夢や野望やいろんな想いを抱いて渡っていった場所。
延々と一家が没落してゆく様を見せられた挙げ句、次女は病死、
最後には、手に手をとってこの母と娘は満州へ旅立ちました。
長男一家が暮らす満州、娘の好きな男性がいる満州に、
「これが本当のスタートね」とうきうきしながら旅立ちました。
そのわずか数年後のこの二人やその家族達、日本に残った家族達の事を思うと
胸がせつなくやるせなく、なんとも辛い辛い思いしか残らないのです。
この人達は実在せず、この後どんな境遇にあうのだろうかと心を痛めても
仕方がないのに、それでも、きっとこういう人達は現実にいたのだろうと、
やはり、胸が苦しく辛い思いをするのでした。

配役はなかなかおもしろかったです。
千葉早智子、花井蘭子、原節子の三姉妹!麗しすぎますねぇ。
原節子の恋人役に若い若い森雅之。メガネの優しい男性役でちょっと意外。

内容は上記のようなものでしたが、至る所に東京(銀座、丸の内など)の
街並みが映し出されてそれは嬉しいものでした。
こちらは銀座。
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原節子サンと森雅之サンが会社の帰りにデートしてる喫茶店。
ウェイトレスさんの服装がよいです。
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おもしろいエレベータ!派手すぎませんか???
セットではなさそうなんですけれど、どこかにこういうのがあったんでしょうか?
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そして、ワタクシが常々気になっているもの、洋装女性のシルエットです。
現在と完全に違いますよね、こういうところが本物は違うのですよゥ。
よく、戦前が舞台の現代に作られたドラマや映画を観ますが、
女優さんがカッコイイシルエットなのに対して、戦前映画では、
いかに原節子サンといえども、こういうモッサリしたシルエットをされているのです。
こちらがホンモノ。ホンモノは良いです。ニセモノはきらい。
それは、体型が変わったせいもあるでしょうけれど、下着の違い!です(断言)。
ちなみにお隣の和服美人は花井蘭子サン。お二人とも麗しいですね。
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昭和17年・製作・東宝/監督・島津保次郎
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by orochon3 | 2005-08-20 23:47 | 戦前東宝 | Comments(0)

青春の気流

飛行機の設計師、工場のシーン、すべて興味ナシ、です。
山根壽子サンと原節子サンのお二人を見てるだけで充分!

節子サンが想いを寄せる大日向伝氏を駅まで見送る場面で、
実は大日向伝には壽子サンという恋人がいるので、彼は乗り気でなく、
「もう駅ですからここで結構」とか言って節子サンを振り切ると、
節子サンの台詞がいかしてます。
「あんまり駅に近すぎるのね」
そして別れて行き過ぎて、ふと振り返った彼女の顔は今までで一番キレイでした。
こういう何の根拠もない自信満々のお嬢さんにはピッタリ!胸がすくように。
また、相手にかまわず大日向伝の家を突然訪ねた節子サンも、実に“らしい”。
最期には振られちゃっても結婚式では笑顔で拍手を送る姿も堂々と美しい!パチパチ。
最期の方を除けばほとんどが豪奢な洋装姿で、節子サンはあくまで節子サン道をゆく。

対して壽子さんは終始お着物姿でうつむいたり、少し淋しげに微笑んだり。
弟クンと甘味処に行ったりするところではお姉さんぶって快活だけど。
恋人大日向伝といつもの「純喫茶紅」でいつものソーダ水を飲んだあと、
膝の上の小さなバッグから白いハンケチを出して口を拭う仕草、これにノックダウン。
こんな仕草が自然に身に付いていたら・・・私の人生も変わったかも?!
この「紅」にはかわいい女給さんが三人いて、二人を陰ながら応援しているの。
とびきり素敵な音楽を流してあげたり、そっと覗いてワクワクしてる。
彼女達のお着物も、なかなか良かったです。中でも薔薇の柄の着物、いいなあ!

昭和17年・製作=東宝映画/演出・伏水修

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by orochon3 | 2005-04-05 22:49 | 戦前東宝 | Comments(0)

母は死なず

昭和初期から17年までの短い間ではあるけれど、
その間に生きた須貝氏一家の物語。
何はともあれ、須貝氏が市中を求職に歩きまわる時、
営業に歩きまわる時、街の風景が次々に撮し出されて
もうホクホク。たまりません。
小さな商店の並ぶ町並み、そうした一番身近な風景は、
何故かしら懐かしく、胸が切なくなるくらいに何時までも見ていたい。
店も家もどこもが天井が低くて何もかもが少し小さい。
今でも東京のラーメン屋などはそういう店があるけれど、
広々とした卓に大きな椅子、広い店内、という飲食店だらけの今、
ここに出てくる店はちっちゃくて狭くて実にいい感じ!

修吾くんが学友達と寄り道してた銀座のオープンレストラン!の
お洒落なこと、びっくりしてしまった!!
ライスカレーみたいなのを食していたらしいけれど、いいなぁ。
幼い修吾くんがちょっと不良?になって夜店を歩いていると、
モンパリが流れているというのも、いいなぁ。

入江たか子サン、美しすぎて・・・クラクラ。
若い若い轟夕起子サンもとてもキレイで歌がお上手。
そしてそして、ダレよりも菅井一郎サンの渋さに脱帽。
背中の演技にひきこまれました。いいなぁ。

昭和17年・東宝/演出・成瀬巳喜男
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by orochon3 | 2004-11-06 23:05 | 戦前東宝 | Comments(0)

婦系図

よく映画の宣伝文句にある“紅涙”ってどんな感じでしょうか。
きっとこの映画を観た時に流す涙の事なのではないかと。
泣きました、ええ泣きましたとも。
特にお蔦が死んでいくラストシーン、
酒井先生が立派な先生らしくおのれの非を認めて、
「俺を早瀬だと思え」とお蔦を哀れみ、皆が泣き崩れる・・・
弱々しくお蔦が先生の許しが出たと喜び死んでいく・・・
ここで泣かねばどこで泣くのでせう!
できれば声を出して泣き崩れてしまいたかったくらい。

実は最初から観たわけじゃありません。
丁度、主税さんがお蔦と暮らし始める所から観始めたので、
最初のところはよくわかりません。原作も読んだ事ないし。
(これは原作、泉鏡花、読まなくちゃだ!)
だけど、お蔦のかわいらしい仕草、なで肩の着物姿、
酒井先生と主税さんの熱の入ったコイイ芝居、
何もかもにひきこまれて、目がはなせなくなったのでした。
山田五十鈴、いいですね!健気でかわいくて、哀しい。
ロッパも、主税さんにお蔦と別れろと迫る場面での熱演!
胸のすくような気持ちのいいクサさに陶酔してしまいました。
ああいいなぁ。こうでなくちゃなぁ。

で、私的ツボは、芸者小芳の三益愛子。
酒井先生のお嬢さん(高峰秀子)の産みの親で、
でも芸者だからお嬢さんは正妻さんに育てられ、
小芳は会う事も禁じられていた・・・もうこれは母もの!
主税さんと別れさせられたお蔦に会いに来たお嬢さん、
それを取り次ぐ小芳。ウゥゥゥと泣き崩れる彼女の美しさ、
戦後の母ものの彼女よりもぐっときました。
そして、主税さんと結ばれるお蔦に言った、
「いいわねえ、丸髷って」という一言。うまいなぁ。
心底、ほれぼれして観入ってしまいました。

お蔦と酒井先生など配役がとにかくいいです。
髪結いさんの沢村貞子も、芸者綱次の山根寿子(美しい!!)も、 めの惣さんも。
あ、主税さんの長谷川一夫、色気あるってこういう事か、と。

昭和17年・東宝映画/演出・マキノ正博
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by orochon3 | 2004-09-08 12:43 | 戦前東宝 | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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