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不死鳥

戦後間もない昭和22年の作品です。
(詳しい内容はこちらをどうぞ → 
木下惠介監督、田中絹代主演。相手役はこれがデビュウ作の佐田啓二。
我らが絹代チャンはこの時38歳ですがもう少しわかい設定です。
一人息子をもうけてご主人を戦争で亡くして、ご主人の弟の後添えにという話をけり、
ゆくゆくは息子と二人で独立したいと夢見ています。
ご主人の弟に結婚相手が見つかり、しみじみと昔を回想していきます。
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回想していくと、なんと女学生にヘーンシン、
セーラ姿の絹代チャン、仕草もまったく女学生でカワイイ。
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その絹代チャンの見つめる先にはこれも学生服の佐田啓二!
これからこの二人は恋仲になるのです、その出会いの通学電車であります。
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学校帰りに二人が偶然立ち寄る飛鳥書房という書店。ちょっと前まではこんなお店が
どこにでもあったように思いますが、最近は大型書店ばかりですね。
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佐田啓二が落として行った学生証を見つけて拾う絹代チャン。
これがご縁となりまして、二人の仲は深まっていきます。
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ドライブにテニスまでなさるのですよ。
それがまあなんともカワユイのです、ブリッ子ポーズ連発です。
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かるた会では見事な振り袖姿を見せてくれます。
札をとって得意顔の絹代チャンもかわいい!
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デートで着物姿でも髪の毛はモダンな雰囲気。
初々しいお嬢さんの雰囲気がよくでています。
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色々あって、とうとう佐田啓二は出征してしまいます。
最後のパーティで、精一杯のお洒落をして彼を見送る絹代チャン。
美しく堂々としていて、大げさな髪飾りなどものともしません。
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駅に見送りに来た時も、決して時勢にのらずに美しく気高いままの姿なのが、
お嬢さまらしくてかえって清々しいくらい。
佐田啓二のご両親にはまだ反対されたままなので、陰ながらそっと見送る姿に
涙をさそわれます、、、ヨヨ。

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この他にも絹代チャンは軽めのドレスやロングドレス、
ハイキングの洋装に野良仕事姿やスラックス姿にもなり、
いったいどれくらい着替えたの?とまったく驚いて観ていました。
そして、私のいちばんのツボはこの足下のアップが続く場面です。
なんとちいさい!
かの高峰秀子さんの名著の中で、絹代さんがまだ少女の頃の秀子さんを鎌倉のお家に
招待し、自分の着物や服を秀子さんに着せて「似合う、似合う」と喜び、
どんどんくださった、という箇所があります。
その後秀子さんは大きくなってしまって絹代さんのものが小さくなってしまい、
困り果ててついに、櫛をくださったというくだりもありました。
秀子さんも大柄ではないのに、その少女の頃のものがちょうどだったというくらい、
絹代さんは何もかもがちいさい!のですね、肩を見てもわかります、ちいさい!
その足下を見ても、本当にちいさい!
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ふと、絹代チャンの雰囲気がブリッ子松田聖子チャンに見える時がありまして、、、
あ、この系統なのか!
デビューの頃の聖子チャンは絹代チャンに似ているような気がします。
なんでも一緒くたにすると乱暴だと叱られるかもしれませんが、
どことなく同じ雰囲気があるような気がしませんか、あどけなくかわいらしいけど、
実際はとんでもなく強い女性なのです、二人とも。
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この映画に限らず、田中絹代というひとは映画の中で様々な役柄を演じて、
いろんな姿をみせてくれました。女医や弁護士になったり売春婦になったり。
そういえば、聖子チャンもいろんなファッションでファンを喜ばせてくれました。
 スクリーンにやまとなでしこ七変化 ファン心理は時代をこえる

昭和22年/松竹(大船撮影所)/監督・木下恵介/原作・川頭義郎

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by orochon3 | 2017-02-16 14:15 | 戦後映画 | Comments(2)

ある映画監督の生涯 溝口健二の記録

新藤兼人監督の作った、故溝口健二を追うドキュメンタリー映画。
1975年の作品、わたしは8歳です、もちろん観ておりませんです!
両監督にはまったく興味がありませんが、溝口健二といえば田中絹代。
絹代ファンのわたしとしては観ないわけにはまいりませぬ。
解説によるとこういうストーリー。

 新藤兼人が師と仰いだ巨匠・溝口健二監督。
 生前の溝口監督を知る39人がインタビューで監督への想いを語る。
 監督として人間としての溝口の深奥に迫ったドキメンタリー。

両監督には興味はありませんが、この39人にはかなり興味津々。
もちろん、まだ現役でご活躍の方もいらっしゃいますが、
出てくる方、出てくる方、ほとんどが既に鬼籍に入られています。
中でも、ア!っと声を出してしまうほど驚いたのは、
当時64歳の入江たか子サマ。
なんとなんと、そのお美しさは健在です。
しぐさ、話し方、表情、どれをとっても私の知っているたか子サマ。
目が思わずハァトになりながらうっとり眺めてしまいました。
そもそも溝口監督は、たか子サマの入江ぷろだくしょんに雇われていた身。
それをひがんだのか、戦後の作品「楊貴妃」で壁にぶつかった監督は、
たか子サマを降板させてウップンを晴らしたとか、巨匠の実像はコワイ。

溝口映画はほとんど観ていないと思っていましたが、
「滝の白糸」「浪華悲歌」「祇園の姉妹」という代表作は観ていました。
どれも私のお気に入りの作品、たか子サマは美しく、山田五十鈴はカワユイ!
あまりにも気の毒すぎておかしくなるほどの底辺の女性たちが、
健気に生きていく姿が、溝口監督サンはお好きだったようです。

戦後は、絹代サン抜きに語れないようです、私は観ていないけど。
進藤監督が田中絹代サンへインタビューしている場面は、ソウゼツ!
絹代サンに惚れ込んでいたのに告白できなかったシャイな溝口監督。
「監督は私個人ではなく演じている役の私を好きだった」と絹代サン。
真実はご本人のみぞ知る、、、。
絹代サンも、お若い頃と変わらず、あの口調、あの眉のひそめた表情、
やっぱりカワユイなぁ、、、。

溝口健二には、明治特有の“官尊民卑”の思想が残っていた、
と御大の川口松太郎が言っていました。
これこそが溝口健二の映画の根底にあるのではないかとふと思ったり。
練りに練って作り上げた場面を、一瞬のうちにこわしてしまい、
現場で台詞から全て変えてしまうという演出方法。
溝口映画の魅力に少しだけ触れることができたような気がします。

この映画で、サイレント時代の大スター、中野英治の71歳の姿を
拝見することができました。
旧法政で野球をしていたところを日活に入って役者となったという経歴、
女性ファンを熱狂させた二枚目で、不良だったという評判です。
この方が、71歳とは思えぬ格好良さで現れてビックリ!!
ただものではない、と思って色々調べてみましたら、
かの石津謙介が彼をお手本にしていたとか、
欧米の最新流行を研究して服をつくりまくり勘定は踏み倒したとか、
あの色川武大が、不良の大先輩と評したとか、
弟分はディック・ミネだったとか、ともかくスゴイ方でありました。
そして驚くべきは、あの英百合子サンと結婚していたという事実!
残念ながらその作品は拝見したことはありませんが、スゴイ、スゴイ。
いろいろと大収穫のある作品でした。

昭和50年/近代映画協会/監督・新藤兼人


 <5月31日追記>
 タイミング良くというか、なんと言うか、、、
 今朝のニュースで進藤監督の訃報を知りました。
 100歳という大往生ではありますが、63歳の監督を見た直後です。
 まだお若いのだと錯覚しておりました。
 というよりも、私の思う時代というのが、かなり昔なのだという事が
 改めて、今日、眼前につきつけられ、大きな衝撃だったのでした。
 1930年代、近いと思っていたけれど、案外近くもなかったような。
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by orochon3 | 2012-05-29 12:54 | 戦後映画 | Comments(0)

晴曇

歳も押し迫ったこの時に、こんなことを書いている私は、
かなりヒマな人なのだろうなあと思いつつ、忘れないうちに。

久しぶりの松竹です。
なんと栗島すみ子嬢と田中絹代嬢の二大女優夢の競演!
どちらも大好きなので比べられませんが、やっぱり絹代チャンかなあ。
久米正雄原作のこの作品は、珍しくも2時間という長さ。
しかし見応えある力作と感じました。

あらすじは、大学生の男子二人とそれぞれの恋人(すみ子嬢と絹代嬢)、
すみ子嬢は実業家のお嬢さま、絹代ちゃんは下宿の娘。
お二人とも和装ですが、見事に貧富の差が見てとれます。
すみ子嬢のお部屋なんて童話のお姫様のお部屋みたいです。
しかし、絹代ちゃんを恋人にもって男女の関係にまで進んでいた筈の
黒田くん(珍しい悪役の大日向伝)は、野心をメラメラもやして
すみ子嬢に近づき、するりと入り込んで結婚してしまいます。
その時には絹代チャンは既に身籠っており、涙、涙。
よくあるパターンではありますが、元すみ子嬢の恋人で、
親同士で入り婿の話まで出ていた辻村くんが、誠を持って救います。
僕がお腹の子の父親になろう、と覚悟を決めて二人も結婚!

黒田くんとすみ子嬢の結婚式はかの帝国ホテルライト館でした。
舞台では二人の美女が舞を舞って、参列客をもてなします。
場所を移って披露宴会場は長いコの字のテーブルプラン。
もちろん洋食のようですが絹代チャンが途中で気分が悪くなり、
何故か新郎新婦の控え室で横になりますが、、、。
これはホンモノの客室ではなくてセットでしょうね。
見たかったです、当時のナマ・ライト館の客室。

最後は悲劇的というかなんというか意味不明でした。
こういう時、やっぱり時代の差を感じてしまってカナシイ(涙)。

ともかく、すみ子嬢の絢爛豪華さと絹代チャンの可憐さを堪能!
年末に良いものを見せて頂きました。
吉川満子サンはやっぱり母親役なんですね、ここでも!

昭和8年/松竹蒲田撮影所/原作・久米正雄/監督・野村芳亭
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by orochon3 | 2010-12-31 15:26 | 戦前松竹 | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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