「着物の悦び きもの七転び八起き」林真理子

林真理子というと、どうしても週刊誌のイメージがぬぐえず苦手です。
でも、彼女の天鵞絨物語、女文士、ミカドの淑女、という作品は好きで、
楽しんで読みました。マ、これは彼女だからというより題材で選んだからでしょう。
そして、この本もやはり題材で選んだクチ。
『着物の悦び』を感じ始めたワタクシにとってはまさしくドンピシャリの本でした。
筆者36才にして着物の世界へ足を踏み入れ、まさしくその頃に書かれた本です。
そういう年頃なのかなァ。

読むのが遅いワタクシとしては、異例の速さで読了。
まだ若輩?でしかも着物に対する情熱が満ち満ちている筆者が、
ストレートにこちらへ向かって突進してくるような一冊でした。
着物の常識や非常識を教えてくれる一冊です。
ただし、筆者好みの、という文字がつきます。
彼女のように経済力もなければ高価な着物を着る機会もないし、
あまりにも正道をゆかんとしているようで、ちょっと違うナ、と思う事は多々。
けれども色んな本を読んで、色んな着物の着方を知り、
自分なりに取捨選択して、着物とつきあい方を作り上げてゆくのが、
現在の私にとってとても大切で必要な作業だと思うので、なるべく色んな本を
読んだり、色んな着物の人を見る事にしています。

別に正道を好まないというのではなく、もう少し普通に着たいのです。
着るものを選ぶ選択肢の中に、着物を入れたい、ということで。
けれどもその為にはある程度の知識や経験が、現代を生きる我々には必要である、
と筆者はいうのです。ただ好き放題に着ていてはだめ、と。
確かにそうではあるけれど、そんなに四角四面の決まり事を実践せずとも良いのでは、
なんてナマケモノの言い訳かなァ・・・自由に着るにはその底にきちんとした知識が
なければ、ただのデタラメになってしまうということなのでしょう。
かくして今日も私は着物のお勉強をするのでした!

『染めの着物には織りの帯、織りの着物には染めの帯』という着物の決まり事があり、
それを文字通りに受け取ってはいけない、ということが何度も登場します。
これは、『染め、というのは俗にいうやわらかもので、それには錦や綴、といった
固い豪華な帯を締める。大島や結城といった固い着物には、縮緬などのやわらかい
染めの帯を合わせる』ということなのだそうです。
ここまでかみくだいて教えて貰わなければわからない・・・自分の国のものなのに。
自分自身にがっかりきてしまいます。

季節感を出すのは柄や色だけでなく、紬は冬、綸子は春、縮緬は秋に似合う、
という事もまた知りました。

『着物は教養』
気負うことなく、肝に銘じたいと存じます。
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by orochon3 | 2005-11-03 23:03 | | Comments(2)
Commented by おとやん at 2005-11-26 00:09 x
orochonさま、こちらでは初めまして(たしか…)。
私は振り袖も着たことがありませんが、
数年前、一度だけ着物を作ったことがあります。
お店の方が、これは?これは?と、反物やら帯やら
持ってきて合わせてくれて
そのとき
林真理子が着物を買いまくった気持ちがよ〜くわかりました。
Commented by orochon3 at 2005-11-26 22:41
おとやんサマようこそです!林真理子のように買いまくるのは永遠の夢であります!!私が着物をつくったのは、大昔のことでした。最近は安いプレタ着物ばかりなのです・・・そろそろ、紬でも作りたい病にかかっております。いつになるやら、ですが。
おとやんさんはどんなお着物作られたんでしょうか???またお聞かせくださいませn♪


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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