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「若い女の心の中には、いつも、こまかい時雨が降っている」
この一文に私はしびれた。一気に若い頃の自分が戻ってきた。 捨てたり忘れたりしてきた色々なことが、一気に戻ってきた。 若い女は、雨傘の用意は忘れがち・・・というよりもわざと持たないのかもしれない。 不意の雨に降られることをたのしみに、期待して待っているのかもしれない。 夫と不和になりかけている妻の三千代が、夜中に階段の途中で、 頬杖をつきながら途方に暮れる場面も、まるで映画のように鮮やかに 心に浮かんでくる。 どの部分を読んでも、うまいなあと唸らずにはいられない描写のオンパレードで、 男女の細やかな機微が、これでもか、これでもかと描かれるけれど、 実に鋭く、小気味よい。 心地よく、まんまと林芙美子の世界にひきずりこまれてしまう。 きれい事ではない、ほんとうの男女の関係を堪能した。 戦後間もない頃の大阪駅前に、ハイカラな建物の有料便所(水洗)があり、 一人20円で使用できたらしい。そこには、革張りのソファのある待合室があり、 入り口では荷物を一時預けできる。売店の陳列には石鹸や手拭いが売られ、 化粧室もさっぱりとしたこぎれいなものだったとか。 ここで、登場人物達は、待ち合わせをして、東京行きの列車に乗っていった。
by orochon3
| 2001-06-10 22:31
| 本
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