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冒頭、犬と寝ている奥さんは、道修町の薬屋さんの娘さん。
奥さんになっても夜中まで遊び、奉公人あがりで婿養子の旦那さんより遅く起きてきて、 トーストにバタかなにかをぬり、ボイルドエッグを匙で割って召しあがる本格洋朝食。 婦人会の会合だと言って遊び回る奥さんに、婿養子の旦那は頭があがらず。 一方山田五十鈴のアヤ子はその薬屋の電話交換手。和装でお仕事して通勤も和装。 彼女の家、台所というよりおくどさんは居間より一段下がった土間にあり、 そこで下駄ばきで煮炊きしているようす。いわゆる関西式というやつ?? 彼女は父親の使い込んだお金をつくる為に、薬屋の旦那さんの妾になり果てる。 その旦那さんが彼女の為に用意したアパアトがいかしてる!! 和室もあるけど、ほとんどが洋室。しかもダイニングキッチン! 天井には何やら電飾?のような装飾があってお洒落な雰囲気。 妾宅という陰湿な感じは全く感じられず、明るく清潔な時代の最先端♪ 最後にはアヤ子も洋装になってたりして。 このドレスは例の裾のながーい足首ほどまで隠れる丈。 ふと、これは着物と同じ感覚なのではと思った。足首まで隠せば違和感なかったのかも。 ちなみに、アパアトで旦那を待つ彼女、タンゴ「伊太利の庭」がBGM。 恋人を待つ時には「セントルイスブルース」を口笛で吹いたり。グゥ、やられた。 妾に堕ちたアヤ子さんは百貨店へ買い物に出かける!? 化粧品売り場で口紅を物色中、そこへ元恋人氏が現れて二人はエレベータへ。 そこで見覚えのあるエレベータ扉が映る! 「モダン心斎橋コレクション」で観たあのそごう一階のエレベータでは!? 普通に百貨店内の映像として動くあの漆螺鈿の扉は、ちょっと衝撃的かつ感動的。 それでは彼女たちがストローでソーダ?を飲んでいたのは、 階上にある藤田嗣治の画がかかる特別食堂だったのかも。 最新流行、モダンの最先端は庶民みんなのものだったのね。贅沢な時代。 物語は気の毒すぎてたまらない。 でも、転落ばかりがクローズアップされるのではなくて、なんだか淡々とドライ。 家族の犠牲になったとか、自堕落な女だとか、諸解説では書かれているけれど、 ワタシはそう思わない。 当時の教育の問題というか、女性の知的な部分というか生活力も今とは雲泥の差で、 そういう風に生きることしか考えつかないというか・・・彼女が悪いわけじゃなくて、 家族が冷たいのも、そういう世の中だったのではないかと。うまく言えないけど。 ラスト、家に帰ってきた彼女の無邪気さ、明るさが、そういうところを如実に表しているのでは? 足を投げ出して口紅を塗り、家族にすき焼きをねだる彼女は、 身体を投げ出して家族を救ったヒロインだったはず。 それを冷たく扱われても、彼女は泣いたりしない。そこが好き! 『クローズアップもほとんど無く、引きの画が全編を支配していて、 いわゆる「引きの長回し」という、溝口のスタイル』と解説にあったけど、そういうことか! すっごくイリイリしながら観たんだから!ワタシはもっと細部を観たいんだー。 例えば女優さんのドレスや着物とか、表情の変化とか。 机上のものや家具なんか、おもしろそうだったのに! 全編通して楽しめる大阪弁(船場ことば?)については、またあらためて。 昭和11年・松竹キネマ(嵯峨野撮影所)/監督・溝口健二
by orochon3
| 2006-03-27 08:22
| 戦前松竹
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