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「きもの」幸田文

まだまだ、まだまだ着物ビギナーです。
最近はとんと着る機会もつくらず、縁遠い生活。
そこでこの1冊、、、、これを初めて読んだのは何を隠そう10年前。
幸田文に入れ込み始めた頃で、とにかく読みあさっていました。
で、10年前にハワイへ行く時、持って行く本を物色中に見つけた本。
その頃のワタクシは、着物の事なんてわかっちゃいないお馬鹿さんで、
文中の言葉の意味がわからず!というお粗末な状態。
それでもとっても心に残る1冊で、それは、文章自体も素敵だったし、
「これは心に留めておきたい」と思った箇所がたくさんあったから。
そして、10年後にもう一度ハワイへ行こうと決意した時から、
この本はその時にもう一度読もう、と大切にしてきたのでした。

そして、10年経って読んだ感想。
忘れっぽいワタシはずいぶん色々忘れていたのですが、
10年前と変わらないものが一つありました。
読んでいる間中、常に頭を離れなかった言葉、「感性」。
ワタシはこれを“何をもって恥と思うか”という事であると思っていて、
10年前は、自分の感性を持ちたいと試行錯誤していた、ように思います。
あれから10年経った現在、ワタシの感性を持てているかどうか???
半分くらいなら胸をはって、“持っていますとも”と言えるかな、と。
これから先、確固たる自分の感性を認識して持ち、磨いていけるかどうか。
これからの10年をどう生きるか、ということにかかってくるよね、と、
自分自身にハッパをかけたのでした。

着心地にあくまでこだわった子供のるつ子が、初めて自分で
気に入って選んだきもの、、、
白茶の地に濃紫や青の縞が縦横にかけ、それが複雑にして整然。
その胴へ赤い半幅帯を結びきりにしめた姿、、、着物も帯も羽二重。
知識の薄いワタシには、どんな着姿なのかまだまだ想像は難いけれど、
これを着た時は「お行儀良くすること」というおばあさんからの注意から、
羽二重は肌に着心地は良くても、着こなすのは難しそう、とは理解できる。
そんなレベルではありますが、10年前よりはこの作品に近づけたのでは?
と喜んでいたのでした。

『着物はいきなり、所かまわずに、ぱあっと脱ぎ散らかすものじゃない。
引き伸しござか衣装畳紙かの上で、膝をついて、身から放した順に
片よせながら脱いでいき、これとそれとを替える時は、片身片袖ずつ
滑らせば、裸を晒すような下司な形にはならない。』
一生着物を脱ぎちらかす身分でいられるかどうかはわからないけれど、
面倒でも“しなの良い”(イコール品の良い)事を知ってから、
簡単な方法をする方が良い、とおばあさんはるつ子に教えます。
ただ単に簡単な方法しか知らないよりずっと良いと思わないか、と。
そしてそれは身体が覚えてしまえば難のないことだ、と。
こんなおばあさんが側にいる幸福を、るつ子は次第にわかってきて、
あぁいいなぁ!とワタシはため息をつくのでした。



by orochon3 | 2007-06-21 23:11 | | Comments(0)

主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。
by orochon3

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