2018年 10月 18日 ( 1 )

つくろい人生

古本屋さんでふと手にした本、
沢村貞子さんの「わたしの三面鏡」という
エッセイ集を読みました。
沢村さんが70代半ばの頃、昭和58年に
書かれたものだそうです。
50代前半の私には、共感できることと
まだよくわからないことがありましたが、
いずれはたどる道なのだろうなと
想像しつつ読んでいました。

ある朝、寝ぼけて脇腹を強く打った沢村さんは、
勝手に全治一週間だと思い込みます。
けれども20日経っても治らないので、
「若い時にはこれくらい4、5日で治ったのに」
とブツブツ文句を言い、
挙句「もう治らなくても良い」とフテ腐る。
そして、気がつくのです。
思えば70歳半ばまで散々使った身体であった、
わが家の古い雨戸でさえ、すり減ってくたびれ、
雑巾で埃をぬぐい、敷居にローソクをこすり、
そうしているからこそ、どうにか戸締りの
役に立っているのだと。
そう思い返し、せっせと湿布を貼り続けていたら
ちょうどひと月でやっと全治したのだとか。
「なるほどね」とよくわかった、
と沢村さんは得心したのでした。

『歳をとるとホンのちょっとしたことで
 身体のあちこちに故障がおこる。
 そのときは、あせらずじれず、
 ゆっくり手当をしてやって、
 どうにか動くようになったら、
 それでけっこうと思うこと
 どっちみち新品同様ピカピカになる
 わけではない。
 つまり、私に残されたこれからの毎日は、
 つくろい人生とでもいうのだろう、、、』

ちょうど私も、あせらずあわてず、
と思い思いしていたところだったので、
見られていたのか?と思うほど
ドキリとしたのでした。
いまの私を素直に受け入れて、
ていねいにつくろって生きていこう、
そう心に刻みました。
 われもまたたどる道なり
   怖々と一歩ふみだす老いの花道

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by orochon3 | 2018-10-18 07:18 | | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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