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カテゴリ:戦前東宝( 41 )

放浪記

これはワタシの好きな放浪記じゃないわーん!
とにかく美しすぎる&お上品すぎる林芙美子、なんて奇妙!
(劇中は小林ふさ子という名になってます)。
なよなよしすぎるし、きれいすぎる。(容姿、行動すべてにおいて!)
ちがう、ちがう、ちがいすぎる!違和感アリアリです。
いくら腹の立つキライな相手が持ってきた水菓子でも、
窓から放り投げるなんて・・・違うんじゃないですか?
お腹が減って貧しくて食べる物がない時、他人の部屋に入り込み、
みそ汁を盗みすすった彼女とは思えないではありませんか。
が、よく考えてみれば、この作品、林芙美子バリバリの現役中の作品ですね。
彼女に対して遠慮があったのかもしれません、もしくは彼女からの注文とか、ね。

ともあれ、違和感を感じながらでも、愉しめました。
だって、10年くらいは経っているけれど、かなりリアルタイムに近い
大好きな放浪記の世界をヴィジュアルで体験できたのですから。
あの頃の市場の様子。部屋の隅に小さなコンロを置いて、煮炊きする様子。
そういう小さなことのすべてから生活がぐぐぐっと迫ってきます。
それこそが放浪記、林芙美子なのかもしれません。

ファッションは、全編通してほとんど着物姿しか出てきません。
気が付いたことと言えば、お太鼓がとっても薄っぺらなこと。
枕が入っていないのでは?というくらいホントにぺったんこでした。
着たきりスズメの新米フサ子に、料理屋のセンパイ女中が着物を貸してくれますが、
彼女もろくな着物を持っていない。上前に大きな穴がある着物を貸してくれて、
「左前に着れば大丈夫よ、かえって子供らしく見えて良いワ」
なんて言うので、びっくり。ひっくり返りそう。
着物はこう着ます、こう着ないとおかしいです、等とうるさく言う現代と違い、
なんて恐ろしくおおらかなんでしょうか!つくづくいいなぁと。

色々あって、カフエの女給に成りはてると、お洒落でちょっと良い着物を着るフサ子。
カフエの場面も、かなり当時に近いのではないかしらん。
個人的には大いに当時のカフエ、女給さんに興味がありますので、
目をさらのようにして食い入って観ていました。
コンチネンタルタンゴが流れる店内、お客のトンカツをフォークで食べる女給。
こういう何気ない描写にとてつもなく惹かれてしまうのでした。

え?!ここでおしまいなの?というところでぶつりと「終」の文字が。
もっと続きが観たいのにぃー!ということは、このフサ子も充分魅力的なのか。
妹分になったとっても若い堤真佐子、とっても良かったです。

昭和10年・製作=P.C.L.映画製作所/監督・木村荘十二
by orochon3 | 2005-06-12 23:14 | 戦前東宝 | Comments(0)

音楽大進軍

花粉症でひきこもり中、あれこれビデオは観てましたが、
つまらないのばかりで・・・なかなかアタリがありませんでした。
でもこれは良かったデス!きれいなきれいな画面でした。
何がきれいかというと、すべてです。
お話のスジはまったくどうでもイイというくらい、
出てくる建物や街並みがきれい。欧州映画のように。
(日本ていつからこんなにつまらない街並みになったの??)
まるで時々見る夢の中のような風景が広がって気分爽快。

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特に、東宝の撮影所。こんなのがあったんですねぇ。
そして、富士山を見ながら車を走らせて着いたホテル。
ここ、いったいどこなんでしょうか。
そしてこれはなんていうホテルなんでしょう。
行ってみたい、泊まってみたい。
そしてこんなところで働いてみたいワァ・・・。

それから、かなりツボだったのは、台所の場面。
窓の大きくあいた明るい台所は、ちょっと昭和40年代のようでもあり。
というよりも、昭和40年代頃まではこういう雰囲気がまだ残っていた
ということなんでしょうか???何故か懐かしい台所。
中央に配膳台が据えられていて、壁にはフライパンがかかってる。
床は木です。隣の部屋は畳敷きの食事室。
もちろん、勝手口がついてます♪

あ、内容は国策映画まっしぐら。音楽方面の諸先生方が総出演。
愛しのカワユイ山田五十鈴も長谷川一夫とともに出演。

昭和18年・製作=東宝映画/監督・渡辺邦男

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by orochon3 | 2005-04-27 00:01 | 戦前東宝 | Comments(2)

青春の気流

飛行機の設計師、工場のシーン、すべて興味ナシ、です。
山根壽子サンと原節子サンのお二人を見てるだけで充分!

節子サンが想いを寄せる大日向伝氏を駅まで見送る場面で、
実は大日向伝には壽子サンという恋人がいるので、彼は乗り気でなく、
「もう駅ですからここで結構」とか言って節子サンを振り切ると、
節子サンの台詞がいかしてます。
「あんまり駅に近すぎるのね」
そして別れて行き過ぎて、ふと振り返った彼女の顔は今までで一番キレイでした。
こういう何の根拠もない自信満々のお嬢さんにはピッタリ!胸がすくように。
また、相手にかまわず大日向伝の家を突然訪ねた節子サンも、実に“らしい”。
最期には振られちゃっても結婚式では笑顔で拍手を送る姿も堂々と美しい!パチパチ。
最期の方を除けばほとんどが豪奢な洋装姿で、節子サンはあくまで節子サン道をゆく。

対して壽子さんは終始お着物姿でうつむいたり、少し淋しげに微笑んだり。
弟クンと甘味処に行ったりするところではお姉さんぶって快活だけど。
恋人大日向伝といつもの「純喫茶紅」でいつものソーダ水を飲んだあと、
膝の上の小さなバッグから白いハンケチを出して口を拭う仕草、これにノックダウン。
こんな仕草が自然に身に付いていたら・・・私の人生も変わったかも?!
この「紅」にはかわいい女給さんが三人いて、二人を陰ながら応援しているの。
とびきり素敵な音楽を流してあげたり、そっと覗いてワクワクしてる。
彼女達のお着物も、なかなか良かったです。中でも薔薇の柄の着物、いいなあ!

昭和17年・製作=東宝映画/演出・伏水修

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by orochon3 | 2005-04-05 22:49 | 戦前東宝 | Comments(0)

君と行く路

明るく朗らかな内容だと勝手に思いこんで観ていたら・・・
君と行く路って道行きのことだったのか?!ま、よくある話で、
小さな頃から少女漫画やドラマやらで何度となく見聞きしたものです。
今でもやっぱりよくある話。

鎌倉由比ヶ浜の別荘が舞台、そこに住まうお妾さんと、
その美しい息子二人。
お母さん一人が和装だけど、その他は全て洋風の暮らしぶり。
そして彼等の恋人の美女二人。
一人は霞チャン。彼女は日本人形みたいに頭が大きくてちっちゃな肩!
お着物がとてもよくお似合いで、途中からは髪も結い上げて、本当のお人形!!
帯の位置が物凄く高くて、帯揚げを沢山出して着ています。
とても良いおうちの箱入り娘チャン、てな雰囲気が観てすぐわかりますのね。
華やかな柄のお着物、是非ともカラーで観たかったものです。
そして彼女のお家はとても大きい!女中さんがい〜っぱいいます。
女中さんのいっぱいいる当時の暮らしぶりがよぅくわかりました。
もう一人は私の贔屓、堤真佐子サンの月子チャン。彼女はカッコイイ洋装です。
最期、喪服で出てくるところ、七分の袖口やらウェストやらに、
縞の房飾りがついている奇抜な黒いドレスで現れてドッキリ。
月チャンのお部屋も豪華な洋室で、ベッドみたいなソファに座ってレース編んだり。
決してスタイルも良くないし美人じゃありませんけれど、
明るくてとても素敵な女性で大好き。

男性陣。
兄の朝ちゃん、弟の夕ちゃん、二人とも美しい。モダンで由比ヶ浜が良く似合う。
弟の佐伯秀男 さんが最近までご存命だったそうで、インタヴュウ記事がありました。
まぁ、それにしてもこの兄弟、うっとおしい。
自分たちが妾の子だととても悲観し尽くしちゃう。最期は死んじゃうし。
マザーなんてお母さんのこと呼んだり優雅な生活は享受しておいて、
お妾でお金に執着するちょっと幼稚なお母さんのことを小馬鹿にして、
まったく自分達だけで大きくなったような顔して・・・子供みたいですね。
彼等のお母さん、清川玉枝さんくらいあっけらかんとア・カルク生けませんかしらねーえ。
「兄の花嫁」にも田舎の叔母さんで出てたけど、ホント明るくていいなァこのひと。
元芸者さんという設定だからして、着物の着方がちょっと粋。
中でも帯の仕方がおもしろいので、何度も一時停止して観てしまいました。
特に喪服の時、ふさを綺麗に下げてあったのですが、帯締めがすごく短いのが
私には珍しかったのでした。この方の帯締めの仕方、斜めになってたり特徴的でした。
とても楽そうなんだけど、くずれていない!のね。

冒頭の辺りで、料理屋での場面。お座敷で芸妓さん達とサラリーマン諸君が
JAZZで踊っていました。昭和11年ですか・・・。

昭和11年・製作=P.C.L.映画製作所、配給=東宝映画/監督・島津保次郎
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by orochon3 | 2005-03-24 22:05 | 戦前東宝 | Comments(0)

兄の花嫁

アレ、終わりなの?! と拍子抜けしちゃうのは、
この時代の映画を観ているとよくあることですが、
この映画、本当にそんな感じで勝手に終わっちゃったみたい。
すごくおもしろくて、ひきこまれていたので余計に・・・。

この頃の結婚式の様子が詳細に描かれていて、楽しい。
もちろんお嫁さんは和装だけど新郎はモーニング。
神式の式後控え室の様子から披露宴へ移る様子なども今も同じ。
披露宴は時節柄ということでサンドイッチのみだけど、
仲人の挨拶、新郎新婦の紹介など今も昔も変わらないのね。
そして新婚旅行へ旅立つ二人・・・実のある段取り、とても幸せそう。
本当の結婚の幸せってコレなんだろうなぁとつくづく思いました。

全編通して和服の山田五十鈴に対して、原節子サンは洋装。
寝るときはパジャマまで着ていらっしゃいます。
パジャマなのに起きてはおるものは着物なんだけど・・・。
この方、セェタとかカジュアルなものより、カチッとしたスーツが
本当にお似合いで、帽子を斜めに深く被り、ポケットに両手を入れて歩く
そんな姿がとっても格好良いです。トラッドなオーバーコートもしかり。

しかしなんてったって、新妻の山田五十鈴がカワユイ!!
男前な高田稔の旦那さんに過去の恋愛事件があった事を知った彼女、
「誰かのこと、そんなふうに思っちゃイヤよ。絶対にイヤ イヤ イヤ」
と、好き好き好きとでも言わんかのように素直な愛情で訴える。
イヤと三回続けるのにしても、全部ニュアンスが違うんですから。カワユイ!
彼女から見れば義妹であるモダンガールの原節子サンが、
自由奔放と言葉は良いけれど勝手で幼稚にさえ見えるほど、出来たお嫁サンぶり。
箱入り娘なのかと思いきや、なんでもご自分のセンスでこなしてしまう五十鈴サン。
カワユイ新妻、しっかり者のお嫁さん、でも革新的な女性。素晴らしい!
そして何より言葉が美しいのです。
帰宅した旦那さんに「お帰りあそばせ。お風呂召します?」ですから。
こんな風にはなれないけれど、少しは見習いたいと心から思いました。
そんな若奥様の着物姿も堪能。本当にカラーで見たかったですわ。

昭和16年・作=東宝映画 /製作・田村道美 監督・島津保次郎
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by orochon3 | 2005-03-20 23:06 | 戦前東宝 | Comments(0)

結婚の生態

ずいぶん愉しみました。こういうのサイコウ!
あの頃の、普通の人達の普段の生活が細々とわかる。
といっても、どちらかというとけして貧しいわけではなく、
裕福なほうの層なので楽しさ倍増。
だから飯田蝶子サンみたいなオバサンは出てこないわけ。

映画の内容よりも、気になった部分、興味深い部分は・・・

 新聞記者の夏川大二郎(やっぱり甘えた声はノゥサンキュウ)は
仕事帰りにビアホールのようなバーのような店でビール飲んでる。
冬場は蓋付ビアマグで、夏場はピッチャーに小さなグラスで。
これって多分、「女の街」と同じで夏場は生ビールなんでしょうね。
 夏川サンの独身時代のアパアトの部屋もいいかんじ。
押入のような部分がベッドになっててカーテンをひいて隠してあったり。
 よく喫茶店でお茶を飲んでいる場面が出てくるけど、同じ店ばかり。
でもって、何故かコーヒカップが先に出てて、お水が後からだったりします。
 本屋さんの店内が非常に美しかったのはセットでせうか?
本棚の本がきれいにそろっていて、妙に現実感がなかったのでした。
 新婚の所帯道具の買い出しで、両手に買い物包みを提げている図は、
実は憧れているのです。何を?って、今では何でもかんでも紙袋に入れられちゃって、
ひとつずつ包んで紐をかけてある包みを提げて歩くなんてあり得ない。
どちらが便利なのか不便なのかわからないけど、包みの紐を持って歩くの、憧れる!

そしてファッション。若妻節子さんの洋装がたっぷり堪能できてサイコウ。
やはり、モッサリとやぼったいセェタのシルエットを見ると時代を感じます。
下着が、現代のように立体的じゃないって事の証でしょうネ。
節子さんが甲深のハイヒールだったら、夏川サンも負けずにコンビのお洒落靴。
今では考えられないような、外国のような街並みを二人が歩けば、ああ映画!
節子さん、ペタンコのバッグを提げていましたが、あれはどんな物を入れていたのか?
いつも細々と持ち歩き大荷物になってしまう私には信じられないです!
あ、兄サン家の子供はパジャマ着て寝ていたナ。

新婚旅行に出かけた旅館の部屋、窓から見える半円形の建物部分は、
ちょっとモダンな洋風大浴場でしょうか。入ってみたい!!
そういえば、スケートを観に行ったスケート場は、吾が憧れの山王ホテルでした!!
立派なスケート場があったのでしょうか???かなり収容人数多そうだったみたい。

全体には、まあどうでもいいような、みんな良い人で良かったですわネ的内容。
夏川サンも節子さんも好みじゃないのでノーコメント。
(夏川サンの上司で出ていた高田稔はしぶくて格好良かったけど♪)
それにしても、夏川さんが以前つきあっていた女性からの手紙を見つけ、
「焼いて」と微笑んだ節子さんの顔の怖さといったら・・・背筋が凍りました。
結婚前にウキウキして寝床で本を読む節子さんの初々しさからは想像できないほど。
そういえば“恋する娘はうつぶせになる”という名言(「昼下がりの情事」より)
どおり、節子さん、うつぶせになって本をパラパラヤッテマシタネ!かわゆい。

節子さんのお姉さんがおっしゃった名言を肝に銘じましょう。
「たのしい夢でしっかりした判断をごまかさないで」

昭和16年・作=南旺映画 配給=東宝映画/製作・藤本真澄 監督・今井正

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by orochon3 | 2005-02-25 22:52 | 戦前東宝 | Comments(0)

女の街

原節子さん・・・実を言うとあまり好きではありません。
顔と声が、というとおかしいですが、
特にあの手のバタくさいお顔はちょっと苦手で。
嫌いというわけじゃないのですが。

一番嬉しい場面は、出征した夫が戻ってきて、
お風呂屋さんに行ったところ!タイル絵の下の浴槽で、
複雑な顔をして入っている新治郎氏。
どんつきにタイル絵の壁、その下に浴槽という、関東式銭湯でしょうか。
あ、小僧さんは手拭いを浴槽につけていますがいいのかな?
浴槽の淵には模様の入ったタイルがめぐらしてあってちょっとモダン。
ああお風呂はいいなぁ。生きた当時のお風呂屋さんを観る事が出来て
こんなに幸せなことはありません!
それだけでもこの作品を観た甲斐があるというもの。

おでん屋「いね子」で冬は熱燗、夏は麦酒がとぶように売れます。
麦酒は生?細い水道管のようなのにコックがついていて、
それをひねるとシュワーっと出てきます。
これを大きなジョッキに注ぐので生中?と思いきや、
小さなグラスも一緒に出して、ジョッキからグラスに注ぐんですね。
ジョッキというよりピッチャーなのか。勉強になりました。

髪結いさんのところでパアマネントあてる節子さん、
おでん屋を始めてどんどん華やかさを増します。
実際、とても綺麗な方なのだけど、普通の奥さんとは言えない、
なんだか艶が出てくる美しさ。
また着物の立ち姿がとってもきれい!
あらゆる関節の力を少しだけゆるめて、まるで柳のような風情で
ふぅっと自然に立っておられる姿には見惚れました。
ああいうのは計算なんでしょうか。それとも自然にできるのでしょうか。
真似しようったってできっこありませんけど。

河岸に仕入れに行く時、大福帳をひっかけて行く姿、かわいい。
とんかつ屋の日本髪のおてつさんも、かわいい。
最後にはまた仲良しになって良かったですネ。
いね子さんは心が広いのね。あんなに出来た人はやっぱりちょっと苦手。

おてつさん役の清川玉枝サン、ちょっと岡村文子サンに似てるかも。

昭和15年・松竹/演出・今井正
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by orochon3 | 2005-02-10 21:12 | 戦前東宝 | Comments(0)

母は死なず

昭和初期から17年までの短い間ではあるけれど、
その間に生きた須貝氏一家の物語。
何はともあれ、須貝氏が市中を求職に歩きまわる時、
営業に歩きまわる時、街の風景が次々に撮し出されて
もうホクホク。たまりません。
小さな商店の並ぶ町並み、そうした一番身近な風景は、
何故かしら懐かしく、胸が切なくなるくらいに何時までも見ていたい。
店も家もどこもが天井が低くて何もかもが少し小さい。
今でも東京のラーメン屋などはそういう店があるけれど、
広々とした卓に大きな椅子、広い店内、という飲食店だらけの今、
ここに出てくる店はちっちゃくて狭くて実にいい感じ!

修吾くんが学友達と寄り道してた銀座のオープンレストラン!の
お洒落なこと、びっくりしてしまった!!
ライスカレーみたいなのを食していたらしいけれど、いいなぁ。
幼い修吾くんがちょっと不良?になって夜店を歩いていると、
モンパリが流れているというのも、いいなぁ。

入江たか子サン、美しすぎて・・・クラクラ。
若い若い轟夕起子サンもとてもキレイで歌がお上手。
そしてそして、ダレよりも菅井一郎サンの渋さに脱帽。
背中の演技にひきこまれました。いいなぁ。

昭和17年・東宝/演出・成瀬巳喜男
by orochon3 | 2004-11-06 23:05 | 戦前東宝 | Comments(0)

日常の戦ひ

どうみてもまったく正統派の国策映画です。
佐分利信がまたしても一家の大黒柱として
お手本のような父、夫、そしてその社会的役割を
見事に果たしておられます・・・と、
無意識に敬語を使ってしまうくらい正しい映画。
話のすじも、みんな最後は良い人になって戦争のため、
日本国のために尽くすという結末、単純な私はどこかほっとする。
えらいなぁと感心する。とってもコワイですね、はまってしまって。
こういう素直で単純な人間は、ワルイ事はできないけど、
こんな映画一本でワルイ事をヨイ事だと思ってしまうのです。
コワイコワイ。

佐分利信。
私はファンです。
にやけた上原謙も好きだけど、佐分利信はイイ!
口数の少ない、けれども暖かみのある、
実のある男性を演じさせたらピカイチでしょう。
この映画でも、夫人である轟夕起子サンが羨ましいくらい。

で。
日常の、というくらいですから、本当にもう普段の生活が、
細々とウレシイくらいに描かれていて大興奮。
昭和19年の、大学助教授サンのおうちでの生活。
ちょっと文化的な洋間がついたお宅。
お食事は畳に卓袱台で。書斎は素敵な洋風。
書斎には普段は鍵がかかっているようだけど子供が
入ってイタズラしちゃってお母さんに叱られていました。
お台所はわりあいに広く、使い勝手も良さそう。
奥様が火にかけたお鍋に、おひつから何やら入れている・・・
何だろう?と思って不思議に見ていたら、勝手口に誰かがやってきて、
「もう、いまおじやを火にかけたところなのにぃ」とブツブツ。
あ、冷やご飯を入れていたのですね、というぐあい。

昭和19年・東宝/監督・島津保次郎
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by orochon3 | 2004-10-25 23:37 | 戦前東宝 | Comments(0)

婦系図

よく映画の宣伝文句にある“紅涙”ってどんな感じでしょうか。
きっとこの映画を観た時に流す涙の事なのではないかと。
泣きました、ええ泣きましたとも。
特にお蔦が死んでいくラストシーン、
酒井先生が立派な先生らしくおのれの非を認めて、
「俺を早瀬だと思え」とお蔦を哀れみ、皆が泣き崩れる・・・
弱々しくお蔦が先生の許しが出たと喜び死んでいく・・・
ここで泣かねばどこで泣くのでせう!
できれば声を出して泣き崩れてしまいたかったくらい。

実は最初から観たわけじゃありません。
丁度、主税さんがお蔦と暮らし始める所から観始めたので、
最初のところはよくわかりません。原作も読んだ事ないし。
(これは原作、泉鏡花、読まなくちゃだ!)
だけど、お蔦のかわいらしい仕草、なで肩の着物姿、
酒井先生と主税さんの熱の入ったコイイ芝居、
何もかもにひきこまれて、目がはなせなくなったのでした。
山田五十鈴、いいですね!健気でかわいくて、哀しい。
ロッパも、主税さんにお蔦と別れろと迫る場面での熱演!
胸のすくような気持ちのいいクサさに陶酔してしまいました。
ああいいなぁ。こうでなくちゃなぁ。

で、私的ツボは、芸者小芳の三益愛子。
酒井先生のお嬢さん(高峰秀子)の産みの親で、
でも芸者だからお嬢さんは正妻さんに育てられ、
小芳は会う事も禁じられていた・・・もうこれは母もの!
主税さんと別れさせられたお蔦に会いに来たお嬢さん、
それを取り次ぐ小芳。ウゥゥゥと泣き崩れる彼女の美しさ、
戦後の母ものの彼女よりもぐっときました。
そして、主税さんと結ばれるお蔦に言った、
「いいわねえ、丸髷って」という一言。うまいなぁ。
心底、ほれぼれして観入ってしまいました。

お蔦と酒井先生など配役がとにかくいいです。
髪結いさんの沢村貞子も、芸者綱次の山根寿子(美しい!!)も、 めの惣さんも。
あ、主税さんの長谷川一夫、色気あるってこういう事か、と。

昭和17年・東宝映画/演出・マキノ正博
by orochon3 | 2004-09-08 12:43 | 戦前東宝 | Comments(0)


主に戦前邦画と、思い切り偏った読書の感想などなど。近頃はもっぱらお酒ばかりで スミマセン。


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